ライフスタイル

チョコ以外に彼が喜ぶバレンタインの贈り物・プレゼント


1月も中旬を過ぎると、もうバレンタインの事で街中がざわつき始める。
駅ビルのデパートなどでは、催事場でチョコレートの販売が行われ、普通の食品スーパーでも、赤やピンクで彩りよくデコレーションされた「バレンタイン」特設コーナーが「買ってくれ」と主張する。

その光景を横目に私も心躍る。

私は、私のためにチョコレートを買おう。
いわゆる女性特有のお楽しみ「ご褒美チョコ」というやつだ。

甘いチョコレートは、いつだって女子の心をくすぐる。

そんな私は、一見、チョコレートを渡す相手がいない寂しい独身女に映るかもしれない。
しかし私にだって恋人くらいちゃんといるのである。

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ただ、私は彼にチョコレートはプレゼントしない。
理由は単純明快。彼が、チョコレートが苦手だからだ。

だからといって、バレンタインなんて関係ないわ、私は私のためだけに美味しいチョコを買って楽しむの、というわけにはいくまい。
私だってバレンタインに大好きな彼に何かプレゼントして、愛を届けたいと思っているのだ。

彼は「俺、チョコは苦手だから何もしなくて良いよ」と言ってくれてはいるが、そこはちょっとしたサプライズで喜んでもらいたいし、思い出に残るようなイベントにしたい。

なんたってバレンタインにチョコレートというのは日本特異な風習で、海外では花やメッセージカードに想いを乗せて男性から大切な女性に贈る慣わしなのだから。

年に何回、恋人にプレゼントを渡す機会があるだろう。

誕生日、クリスマス、それから付き合ってキリの良い記念日だろうか。
男性への、というか、異性へのプレゼント選びはいつだって大変だ。

同性なら好みや必要なものもよく分かるが、異性となると、よく分からない。
インターネットなどで情報を集めてみても、色々な意見があるし、紹介されているグッズも様々だ。

王道だと財布、時計、ネクタイなど身につけるものや持ち歩く小物などだが、これには実は危険が潜んでいる。
こだわる人はこだわるのだ。

ブランドやデザイン、機能性など、自分のこだわりを持っている人は、自分で納得いくまで選び抜いたものを購入し、それを大事に使い続ける。だから、そういう「こだわり」を持つ人にプレゼントするのは極めて危険なのである。
だから、プレゼントしたいと思ったら、購入前に本人に伝えて一緒に選びに行くというのがベストなのだろう。

私の彼も、比較的身につけるものにはこだわる傾向にあった。
その上、このブランドを選んでおけば間違いないといったファンブランドが無く、色々なお店を巡って自分が気に入ったものと出会えば購入を検討する、というタイプだったため、非常に面倒だった。

誕生日やクリスマスはお互いプレゼントを贈りあうのが私たちの決まりごとだったので、互いに何が欲しいか、どんなものが良いかなどリクエストを聞いて、一緒に選びに行っていた。

でも今回のバレンタインは、私はちょっとしたサプライズプレゼントを贈りたかったので、彼の意向を聞きださずに水面下で準備を進めようと思っていた。

チョコレートを贈るのが一般的なら、何か食べ物でも・・・とも思ったが、なんだかそれでは芸が無いような気がして、私は彼に何を贈るか、真剣に悩んでいた。

プレゼント選びは楽しいけれど、時間がかかるし、悩みはじめるとドツボにはまる。
使えるものが良いのか、自分では買わないけれど貰うと嬉しいものが良いのか、はたまたネタに走って笑えるジョークグッズにするか、物でなくても食事やイベントをプレゼント、というのも良いだろう。

私は彼の事を考えた。

何か欲しいと言っていたもの、買わなきゃと言っていたものは無かったっけ・・・。

思い浮かばない。家のトイレットペーパーが切れそうと言っているのを数日前に聞いたが、まさかトイレットペーパーをプレゼントするわけにはいかないだろう。

新しい電気機器やインテリアなども今のところ必要無さそうなので、「必要なもの」という選択肢は今回は外した方が良さそうだ。

次に私は彼の好きなものについて考えた。

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SF映画に目が無い彼は、最新のSF映画のキャラクターがお気に入りのようで、デートででかけたテーマパークで、そのキャラクターのグッズを買ってご満悦だった。
あのキャラクターのグッズだったら、きっと喜んでもらえるに違いない。

ネットショップなどで検索してみると、いくつかのグッズがヒットしたが、残念ながら「これ!」というものは見当たらなかった。

プレゼントとしては安っぽすぎたり、逆に高すぎたり、大きなレプリカは置き場が無いだろうし、キャラクターモチーフの食器は、アイディアは良かったのだが、デザインが気に食わなかったり、なんだかんだで決め手になるものが無く、これも選択肢から消えた。

他にも彼の好きなSF映画はいくつか知っていたので、キーワードをそちらに変更して探してみた。

いくつか候補になりそうな商品はあるにはあったが、どうしてもキャラクターものの商品というのは、子どもっぽくなりがちで、大人が大人に贈るプレゼントとしてはどうなんだろう・・・と冷静に考えると、なんだかバレンタインのプレゼントとしては相応しくないような気がしてきた。

もちろん、大人が持っていても全く違和感が無いくらいスタイリッシュに作られたグッズも販売されてはいた。販売されてはいたものの、そういうクオリティの高いものは、値段がとんでもなく高く、私の予算を軽くオーバーしてしまっていた。

なかなか一筋縄ではいかないプレゼント探し。
日がな1日パソコンの画面を睨んでいたので、私は疲れてしまった。

その日の帰り道、もしかしたらフラッと立ち寄った雑貨屋などで思わぬ出会いがあるかもしれないと思い、会社から出て家にまっすぐ帰らず、寄り道する事にした。

こんなに沢山の商品が溢れているのに、どうして、というくらい、ヒットするものが無く、頭が痛くなる。

「どこでも売ってるし・・・」とか「彼も持ってるし・・・」とか、そのような事を考えると、一度手にとった商品をもとあった場所に戻してしまった。

それこそ、これが欲しい、これが無くて困っている、という情報があればその商品のコーナーにまっすぐに向かっていき、あれこれ選べるのだが、何も無い状態で喜んでもらえるプレゼントを探すのってこんなに難しいんだ・・・と思った。

いまひとつ煮え切らない気分で、結局何も買わずに店を出て、電車に乗り、乗換駅の通路をとぼとぼ歩いていると、私の目に、あるものが飛び込んできた。
それは、ヴァイオリンの形をしたブックマークだった。

彼は趣味でヴァイオリンを弾いている。

私は音楽というと小さい頃にピアノを少し習ったものの練習が嫌ですぐに辞めてしまった程度で、あとはカラオケであまり上手くもない歌を多少歌うぐらいしか能が無かったのだが、彼の方は高校の部活動から大学のサークルまで、7年間本格的にヴァイオリンに取り組み、今でも社会人のサークルでアンサンブルを楽しんでいる。

彼のヴァイオリンの腕前がどのくらいなのか、素人耳にはよく分からなかったが、私が聴く限りは上手だと思ったし、周りからも一目置かれる程度には上手いらしいというのは、なんとなく風の噂で聞いていた。

音楽の事なんて全然分からないし、専門的なものも知識がゼロだから、何かプレゼントしたりはできないよなぁと思っていたのだが、なるほど確かに、音楽やヴァイオリンをモチーフにした雑貨ならば、素人でも選んでプレゼントすることができる。

しかし、だ。

私の趣味はテニスで、休日には友人とテニスをしに出かけるのだが、テニスをモチーフにしたグッズなどひとつも持っていない。それは彼も同じだった。

よく中学の部活キーホルダーなどという商品名がつけられたキーホルダーを目にする。

例えばテニス部ならばテニスラケット、サッカー部ならサッカーボール、美術部ならパレットと絵筆などをモチーフにしたキーホルダーだ。吹奏楽部にいたっては、楽器の種類が豊富だったりして、自分のパートの楽器をモチーフにしたキーホルダーを選ぶことができるものまである。

このようなものは、10代くらいの学生さんたちが好んで持つものだというイメージがあった。

バレェを習っている女の子が、トゥ・シューズの柄のバッグをもっていたり、バレーボール部の部員が「排球部」と書かれたジャージを着ていたり、そのような「私はこれが大好き!」と主張するような物品は、大人になるまでの一時的な楽しみだという認識だった。

だから、ヴァイオリンモチーフのブックマークを見かけた時も、一瞬「いいかも」と思ったものの、「でも、こういう『いかにも』というのは嫌がるかなぁ」と躊躇してしまった。
まして本を読んでいる姿など見たこともないような彼だ。ブックマークは使ってはくれないだろう。

ヴァイオリングッズ、どうなんだろうな。
そう思いながら、一応インターネットでどんなものが出回っているのか見てみることにした。

探してみると、予想以上に沢山のヴァイオリングッズや、音楽グッズが出てきて、日本国内の音楽ファンの多さを思い知った。

ヴァイオリンのみならず、色々な楽器のグッズがわんさか溢れている。

ファゴットなどという、聞いた事もないような楽器のグッズまで販売されているのを見た時には、なんだか知らない世界に迷い込んでしまったような、不思議な気分になった。

マニアックなグッズだろうから、色々なものが高いに違いないと思っていたのだが、これだけ沢山のグッズがある上に、価格もかなり良心的なものが多かった。
ちょっとしたプレゼントに最適なものから、結婚祝いなどのレベルでも使えそうな高級感あふれるものまで、幅広かった。

数多い通販サイトを渡り歩いていると、ひとつのサイトに行き当たった。

そこは音楽をモチーフにしたグッズを専門に扱っている通販サイトだった。

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楽器ごとに絞込みができるようになっていて、私は「ヴァイオリン」で絞り込んで眺めてみた。

そして、そこでついに私は運命の出会いを果たす事になる。

ヴァイオリンの弓の形をしたネクタイピンを発見したのだ。

もともとヴァイオリン弓はネクタイピンのような形をしているため、全く違和感がなかった。

いわゆる「ザ・音楽グッズ」という雰囲気がほぼ無く、しかし目を凝らしてよく見ると、確かにヴァイオリン弓の形をしているのだった。
その作りもかなり精巧で、弓の細かい部品まで忠実に再現されていた。

遠目で見たら普通のタイピン、近くで見るとちゃんとヴァイオリン弓、という逸品だった。

値段も、私が「このくらいかな」と思っていた予算とピッタリ合致した。
私はほぼ即決でヴァイオリン弓のタイピンを購入した。

数日後、家に届いたタイピンは、かわいらしい化粧箱に入っていて、そのままプレゼントできるようなラッピングも施されていた。

中身を早く見たくて、注意深く包装を解いてみると、そこには金色に輝く小さな小さなヴァイオリン弓があった。

バッチリだ。

私はとても満足した。
これは絶対に喜ぶだろうという確信があった。

コテコテの音楽グッズでないのに、ちゃんとヴァイオリンモチーフで、高級感も漂い、使えて、彼にピッタリな贈り物。散々探してようやく見つける事ができた。

彼の喜ぶ顔を想像して、私はニンマリと笑ってしまった。

バレンタインデー当日。
いつものように2人で食事をして、私はおもむろに彼にラッピングされたプレゼントを手渡した。

「はい、ハッピーバレンタインですから」
そう、少し照れながら言うと「ん?チョコ?」と彼は不意を突かれたように聞いた。

「いや、え、チョコ嫌いって言ってたじゃん。チョコじゃないよ。開けてみて」
そう言って、彼にプレゼントを渡し、それを開ける彼をじっと見つめた。

「何だろ・・・え、これ、お!おおー!すげー!!何これ!すげー!!」

想像をはるかに超えた彼の反応に、私はとても嬉しくなってしまった。

彼は、ヴァイオリン弓のタイピンを気に入ってくれたらしい。いたく感激して、何度もしげしげと見つめていた。

こんなに喜んでもらえるとは思っていなかったので、悩みに悩んで色々探して本当に良かったとほっとした。

「演奏会の時、つけるわ。っていうか、このくらいシンプルだったら仕事でもつけられるよな。大事にするよ。ありがとう」
そう言ってもらえて、私は、無事バレンタインプレゼント大作戦が成功したことを実感した。

私の愛はちゃんと彼の元へと届いてくれたようだ。

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