小説恋愛小説

恋愛はお食事の後でもいいですか?~短編恋愛小説


(坂崎豊)「里坂さん、この書類…」

(里坂優芽子)「コピーして、人数分まとめてあります。」

(坂崎豊)「やっぱり里坂さんは仕事が早いなぁ」

にっこり笑う彼は上司の坂崎豊。優しくて爽やかな上司。黒髪が新鮮。

私は里坂優芽子。仕事ができるだとか仕事が早いだとか言われるけれど、これでも必死で食いついている。表に出さないだけ。それに私…


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(夜守谷くるみ)「優芽子、今日も出来る女演じきってるわね、妄想女さん」

(里坂優芽子)「くるみ!ここではその呼び方やめてってば」

夜守谷くるみ。高校からの仲。さばさばした性格で男子とも女子とも幅広く仲が良かった。何故か私に妙に興味をもって、私が妄想好きだと知ってからも側から離れなかった。ここの会社に入社したのもくるみに誘われたからだ。ほかにも何件か内定が決まっていたけれど、特にこだわりは無かったし給料もそこそこ良かったからここにいたる。

(夜守谷くるみ)「昨日の夜から今日の朝までどんな妄想した?またメモしてるんでしょ?見せてよ」

それが目的で意味もなく声をかけてきたな。まぁメモしてるけど。

〖「好きだ!」彼はたった一言そう言って彼女の唇を奪った。驚いた彼女は言った。「他に女がいるくせにこんな事しないで!」彼女の瞳は涙で潤む。それでも彼は彼女を引き寄せきつく抱きしめ、また唇をうばって、荒々しく背中を撫でまわして、服の中から手を入れた。彼女の吐息が聞こえ、彼は首筋にしるしをつける。俺だけのものだとうったえるかのように…〗

(夜守谷くるみ)「欲求不満?」

(里坂優芽子)「見せてあげたのに感想がそれ?」

(夜守谷くるみ)「ごめん、ごめん、昔はもっとピュアだったなぁと思ってさ。彼氏とか作る気ないの?」

不思議そうに首をかしげるくるみ。

(里坂優芽子)「私に彼氏ができると思う?」

こんな妄想女、好きになってくれる人きっといない。

(水岡春斗)「何の話?」

(夜守谷くるみ)「面倒なの来た」

(水岡春斗)「夜守谷ー、そんなろこつな顔しないでよー」

(里坂優芽子)「水岡くん、またそっちの部署のコピー機調子悪いの?私コピーしとくよ、今手あいてるし。」

(水岡春斗)「う、うん、お願いしようかな」

顔を赤くしてわしゃわしゃと頭をかく水岡くん。

水岡春斗。同期。部署は違うけど、くるみ通して仲良くなって時々何気ない話をしたりする。

(山宮美花江)「水岡さーん!コピーくらいなら私やりますって言ってるじゃないですかー。」

(夜守谷くるみ)「でた、ぶりっこ女」

(里坂優芽子)「くるみ!聞こえるって!」

山宮美花江。後輩。水岡くんと同じ部署で働いている。男受けが良いらしい。でも、性格に問題が少々。くるみは特に嫌っている。くるみ裏表ある人嫌いだからなぁ。

あ、私もある意味裏表あるけど、それは良いんだろうか。山宮さんの目が…怖い。睨んでるし…。

(里坂優芽子)「山宮さん、お願いできる?水岡くんもその方が助かるよね」

(水岡春斗)「いや…うん」

(山宮美花江)「じゃぁ、私やりまーす。」

長い巻き髪が揺れる。

(夜守谷くるみ)「うるさいのが行ってくれたのは良かったけど、私達もそろそろ仕事に戻らないと」

ため息をつくくるみ。

(里坂優芽子)「うん、お昼にまた」

デスクに戻る。化粧品の企画の仕事。サンプルを参考に記事を書いたりするから化粧品代が浮いて得することもあるけど、ここまでくるのに苦労した。努力の積み重ね。やっと1人で任せてもらえるようになったときは涙が出るほど嬉しかった。こんなにのめり込むとは思いもしなかった。
 
お昼休憩。

(坂崎豊)「里坂さん」

坂崎さんに声をかけられた。

(里坂優芽子)「はい」

(坂崎豊)「お昼一緒にどうかな」

(里坂優芽子)「すみません、今日はちょっと…」

戸惑う私に

(坂崎豊)「そっか、夜守谷さんといつも一緒だよね、気にしないで」

そう言って離れようとした時、

(夜守谷くるみ)「坂崎さん!ちょうどよかった、私お弁当だったのすっかり忘れてて、優芽子とお昼一緒してくれませんか?」

くるみ、何かたくらんでる?

(坂崎豊)「俺のよく行く定食屋でもいいかな?」

(里坂優芽子)「あ、はい」

(坂崎豊)「じゃぁ行こうか」

定食屋

(里坂優芽子)「いただきます。」

ロースかつ定食。お洒落かというとそうじゃないけれどこのお店落ち着く。何ともいえない油のにおい。

(坂崎豊)「美味しそうに食べるね」

(里坂優芽子)「だって美味しいですもん」

(坂崎豊)「可愛いなぁ」

(里坂優芽子)「え?」

(坂崎豊)「あ、いや、いつもクールな里坂さんしか見てなかったからさ」

やっぱり坂崎さんにもそう見られてたか。

(里坂優芽子)「ふふ、私こう見えて色々考えてますよ」

(坂崎豊)「いろいろ?」

(里坂優芽子)「はい、いろいろです。」

坂崎さんにごちそうになってしまった。でも美味しかった。職場に戻るとにやにやとこちらに視線を向けるくるみ。

(里坂優芽子)「くるみ、どういうつもりか説明してもらおうか」

(夜守谷くるみ)「私は優芽子のためにしたことよ」

(里坂優芽子)「お弁当楽しみにしてたのに…私のため?」

(夜守谷くるみ)「確かにお兄のお弁当美味しいけど男の人に誘われたら取りあえずうけるのが今の優芽子には必要なの」

(里坂優芽子)「でも…あ、希里也さんからライン来た、“今日の味付けどうだった?”って…どうしよう。」

夜守谷希里也。くるみのお兄さん。料理人。洋食のお店をもってて、くるみのお弁当はいつも希里也さんが作ってくれてる、そしてついでだからと私の分まで作ってくれている。毎日美味しくて味付けも毎日違うから飽きない。

(夜守谷くるみ)「取りあえず美味しかったって送っておいて」

(里坂優芽子)「嘘つくの?!」

(夜守谷くるみ)「そのくらいの嘘可愛いものよ。わたし、頑張って2人分食べたんだから。」

(里坂優芽子)「分かった、今回だけだよ、こういう嘘は」

仕方なく美味しかったとラインを送った。午後からいつもどおり、仕事に集中した。 

退社時間。

(里坂優芽子)「ふぅ、終わった」

(夜守谷くるみ)「優芽子ー!お願いがあるの!」

嫌な予感…

(里坂優芽子)「合コンなら行かないからね」

(夜守谷くるみ)「何で分かったの?!1人体調崩しちゃってさ、お願い!ただ食べて飲んでるだけでいいから!」

(里坂優芽子)「はぁ、わかった。そのかわり、今度おごってよ」

手を合わせて

(夜守谷くるみ)「ありがとう!何でも奢る!」

お礼を言うくるみ。私はくるみの頼みごとには断りきれないところがある。学生の頃からの縁だし、相談もいろいろ聞いてもらっていた。
取りあえず、メイク直ししないと。服装は…まぁスカートだし、今から家に帰る時間もないからこれでいっか。

居酒屋

お洒落な居酒屋…

4対4。2人の女の子、知らない子。まぁお腹空いたし食べてようと。あ、これ美味しい。皆おしゃべりに夢中。食べ物がもったいない。こんなに美味しいのに。頬がゆるむ。

(戸山透)「そんなに美味しい?」

(里坂優芽子)「え?」

(戸山透)「あ、突然ごめん。あまりにも美味しそうに食べてるから」

(里坂優芽子)「えーと…」

(戸山透)「あ、名前ね、戸山透。透って呼んで」

(里坂優芽子)「透くん…私は」

(戸山透)「優芽子ちゃんだよね」

(里坂優芽子)「うん、よろしくね」

気がついたら自然と笑っていたらしく、

(戸山透)「優芽子ちゃん笑うと雰囲気変わるんだね」

(里坂優芽子)「変?」

(戸山透)「ううん、素敵だよ」

思わず見つめてしまった。サラサラの茶髪に黒縁メガネ、ぱっちり二重。格好いいより可愛らしい顔だち。

(里坂優芽子)「透くん可愛いね」

すると一瞬暗い顔をした。

その後すぐ笑顔に戻り

(戸山透)「ありがとう」と言った。

(里坂優芽子)「透くわん、もしかして可愛いって言われるの嫌?」

目を見開き驚く透くん。

(戸山透)「どうして気がついたの?気がつかれたことなかったのに」

(里坂優芽子)「一瞬だけど暗い顔したから。ふふ、私人の観察するの好きで結構鋭いの」

(戸山透)「意外」

(里坂優芽子)「そう?」

(戸山透)「あはは、うん」

やっぱり、笑っても可愛い。笑うと目が優しくなる。

(里坂優芽子)「私、見た目でよく勘違いされるんだけど、中身は凄く乙女なの、ふふ」

(夜守谷くるみ)「優芽子、飲みすぎ!妄想出てきたらどうするの!」

(戸山透)「妄想?」

(夜守谷くるみ)「何でもない何でもない、あはは…」

あれ、なんだかふわふわしてきた…

(里坂優芽子)「透くんの手大きくて綺麗だね、この手で包まれたら落ち着くだろうなぁ」

そう言ってそっと透くんの手を両手で包んだ。

(戸山透)「優芽子ちゃん?」

戸惑う透くん。なんだか顔赤いような…。

(里坂優芽子)「透くんも飲みすぎた?顔赤いよ?大丈夫?」

(夜守谷くるみ)「それはあんたのせいでしょ!もう、こんなに飲むとは思わなかった…絶対1人じゃ帰れないじゃない。仕方ないお兄に連絡するか」

(戸山透)「また飲まない?」

(里坂優芽子)「うん!もちろんいいよ!」

(戸山透)「えっと…2人で」

(里坂優芽子)「うん、2人で飲みに行こうね」

(夜守谷くるみ)「優芽子、ダメダメ誘惑しちゃ!そんな顔しないの!」

(夜守谷希里也)「くるみ?」

(夜守谷くるみ)「お兄!優芽子潰れかけてて、送って!」

(夜守谷希里也)「おい、くるみ、お前がついてて優芽子をここまで飲ませるなよ…それと合コン誘うな」

(戸山透)「あ、優芽子ちゃんこれ、名刺。いつでも連絡して」

(里坂優芽子)「うん、また飲もうね」

(夜守谷希里也)「ヘラヘラ笑うな、ほら帰るぞ」

そう言って手を引かれた。

(里坂優芽子)「希里也さんだっこー」

(夜守谷希里也)「はぁ、優芽子、勘弁してくれ、理性がぶっ飛ぶ」

眉間にシワをよせる希里也さん。眉間に指を当てて

(里坂優芽子)「格好いい顔がもったいないからしわ寄せないの!」

(夜守谷希里也)「うるさい、キスしてふさぐぞ」

(里坂優芽子)「それは駄目」

(夜守谷希里也)「じゃぁ黙って車に乗れ」

(里坂優芽子)「いや!まだ家に帰りたくない!」

(夜守谷希里也)「お前そう言うこと他の男に言ってないだろうな」

ため息をはく希里也さん。

(夜守谷希里也)「ドライブでもするか」

(里坂優芽子)「うん、ドライブしたい」

(夜守谷希里也)「今の優芽子は貴重だからな」

(里坂優芽子)「そうだ、今日ねお昼トンカツ食べたんだよ」

(夜守谷希里也)「は?誰と?俺の弁当食べたんじゃないのかよ」

(里坂優芽子)「上司の坂崎さん…ごめんなさい今日食べてない」

(夜守谷希里也)「優芽子こっちみろ」

そう言って車を路肩に停めた。

(里坂優芽子)「何?」

(夜守谷希里也)「お仕置きだ」

そう言って私の後頭部に手を回し引き寄せキスをした。荒く激しく。息が…苦しい…


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翌朝

目が覚めたら私の部屋だった。そして隣に希里也が寝ていた。

(里坂優芽子)「え?…え?!」

まって…キスしたまでは覚えてる…その後…分からない。とりあえず、服は着ているからしてはいないと思う。

(夜守谷希里也)「お前昨日激しかったぞ」

起き上がる希里也さん。

(里坂優芽子)「激しかった?!」

(夜守谷希里也)「あはは、寝言な。俺仕事あるから行くけど優芽子、しばらく酒禁止な」

そう言って部屋を出ていった。

今日仕事休みで良かった。昨日のことだいたい覚えてると思う。いっそのこと全部忘れていたらよかったのに。透くん、良い人だったな。あ、名刺、一応連絡入れとこうかな。番号にメッセージをいれておこう。

“優芽子です。昨日はありがとうございました。楽しかったです。今度2人でお食事でもいきましょうね”

飲むのは駄目って希里也さんに言われちゃったからな。

電話がなった。水岡くん?

(里坂優芽子)「もしもし?どうしたの?」

(水岡春斗)「里坂?用があって里坂の家の近くにいるんだけど昼飯でも一緒にどうかなと思って」

(里坂優芽子)「あ、うんいいね。どこに行けばいい?」

(水岡春斗)「車だから迎えに行くよ」

(里坂優芽子)「わかった、待ってるね」

出掛ける準備しなきゃ。2人で会うの初めてかも。くるみと3人は何回かあるけど。

30分ほど経ってラインが来た。

“着いたよ”

白の車、綺麗好きなのかいつも綺麗にしてあるみたいで汚れは見あたらないくらい綺麗。

(水岡春斗)「突然ごめんね」

(里坂優芽子)「ううん、特に用事無かったから、何食べる?」

(水岡春斗)「里坂は食べること本当に好きだよね」

(里坂優芽子)「美味しいもの食べると幸せ感じるもの」

(水岡春斗)「あはは、そっか。じゃぁ何食べたい?」

(里坂優芽子)「オムライス食べたい」

(水岡春斗)「食べたいものはっきりしてる人好きだなぁ。何でも良いとかどうしようとかはっきりしない人苦手でさ」

困ったように笑う水岡くん。

(里坂優芽子)「うん、その気持ちわかる。その間の時間もったいないよね」

(水岡春斗)「そうそう、…よし、着いたよ。オムライス専門店!ふわとろだよ」

(里坂優芽子)「ふふ、楽しみ」

注文して数分後。

(店員)「お待たせしました」

(里坂優芽子)「本当にふわふわだ、いただきます…美味しい!」

(水岡春斗)「里坂は本当に美味しそうに食べるね」

(里坂優芽子)「だって本当に美味しいもの、でもそんなに顔にでてた?」

(水岡春斗)「うん、可愛い顔してた」

恥ずかしいことをさらっという水岡くん。

(里坂優芽子)「はいはい、ありがとう」

(水岡春斗)「あ、軽く流された」

(里坂優芽子)「ふふ」

楽しくお昼を過ごした後、車でまた家まで送ってもらった。

(里坂優芽子)「ごちそうさまでした。美味しかった」

(水岡春斗)「それはよかった…里坂、」

(里坂優芽子)「うん?」

水岡くんの顔が近づいてきて気がつけば…

(里坂優芽子)「今、キスされた?」

(水岡春斗)「うん、今キスした」

優しいキスだった。

(水岡春斗)「また明日会社で」

そう言って車を走らせた。何のキス?食事代のキス?いや、水岡くんはそんな人じゃない。最近一気にいろんなことがおきていて頭がついていかない…。

あ、透くんから返事が着ていた

“わさわざありがとう。こちらこそ楽しかった。早速なんだけど、明日空いてないかな?”

“明日かぁ?仕事終わった後で良ければ大丈夫ですよ”

翌朝

会社

(里坂優芽子)「おはようございます」

(夜守谷くるみ)「ちょっとー!優芽子!お兄にばらしたでしょ!ものすごい怒られたし、今日は絶対弁当食べさせないと一生作らないって言うし、大変だったのよ!」

(里坂優芽子)「ごめん、ついうっかり口が滑っちゃって」

くるみの眉がつり上がってる…。

(夜守谷くるみ)「はぁ、じゃぁ、今日飲みに連れてってくれたら許す」

透くん…

(里坂優芽子)「あ、ごめん、今日、透くんと会う約束してて…」

(夜守谷くるみ)「え?!私、密かに戸山さんねらってたのになぁー。仕方ないか。じゃぁ、明日どうなったか教えて。そろそろ仕事戻るわ、じゃぁねー。」

お昼休憩

(坂崎豊)「里坂さん、お昼一緒しても良い?」

(里坂優芽子)「あ、でも…」

(坂崎豊)「今日お弁当だからさ、もちろん夜守谷さんも一緒に」

坂崎さんの手にはコンビニ袋。

そこにタイミング良くやってきた

(夜守谷くるみ)「坂崎さん、お疲れ様です。今日コンビニ弁当ですか?」

(坂崎豊)「うん、一緒にどうかなと思って」

くるみ…どうして私を見てにやけてるの?

(夜守谷くるみ)「私、手作りお弁当飽きててもしよければ2人でこの弁当食べてもらえませんか?」

(坂崎豊)「それじゃぁ何か申し訳ないよ」

(夜守谷くるみ)「いいんです。いいんです。」

結局希里也さんのお弁当を坂崎さんと食べることになった。

(坂崎豊)「里坂さん、今夜、食事でも行かない?」

(里坂優芽子)「すみません、約束があって…」

(坂崎豊)「そっか、じゃぁまた誘うよ」

(里坂優芽子)「あの、どうして私なんですか?」

(里坂優芽子)「少しでもそばに居たいからかな」

まっすぐな瞳で私をとらえる坂崎さん。

すると私の頭に手をおきぽんぽんと優しく撫でた。

午後、モヤモヤしながら仕事をこなした。

退社時間

透くんから連絡が入った“仕事終わった?”

すぐ返事を返した。

“今終わりました”

お店で待ち合わせになった。

(戸山透)「優芽子ちゃん」

すでにお店にいた透くん。

(里坂優芽子)「またせちゃってごめんね」

手を合わせる。

(戸山透)「はは、そんなに待ってないよ、そういうところ礼儀正しいよね、優芽子ちゃんって」

(里坂優芽子)「そう?」

(戸山透)「うん」

あまり気にしたことなかったな。

(戸山透)「お酒飲むでしょ?」

(里坂優芽子)「あ、えっと今日は止めとく」

(戸山透)「もしかしてあの男の人と関係してる?」

希里也さんのことだよね。

(里坂優芽子)「うん、ごめんね」

(戸山透)「付き合ってるわけじゃないよね?」

(里坂優芽子)「付き合ってないよ、友達のお兄さん」

(戸山透)「そっか、じゃぁ今日はお酒は止めとこうかここ、ご飯だけでも美味しいし」

そう言って目を細めて笑った。気を使わせちゃったかな。

(里坂優芽子)「ありがとう」

(戸山透)「うん?お礼言われるようなことしてないよ」

(里坂優芽子)「ふふ、そんなことないよ」

目を見開いた後、また目を細めた彼。

お昼を坂崎さんと2人で一緒に食べるようになった。

毎日坂崎さんが買う高級弁当をくるみに渡し、くるみはそれを他の社員たちと食べるようになり。くるみは高級弁当にすっかりはまったようす。希里也さんのお弁当を坂崎さんと2人で食べている。希里也さんが知ったらきっと怒るだろう。

坂崎さんはどうしてそこまでして一緒にいてくれるのだろうか。

(里坂優芽子)「坂崎さんいつも私と一緒で退屈じゃないですか?私しゃべる方じゃないですし」

(坂崎豊)「里坂さんだからいいんだよ。退屈だと思ったこと一度もないよ」

爽やかな笑顔を向ける彼。胸がきゅうと苦しくなる。私は最近坂崎さんの些細な仕草にも気になってしまう。

(坂崎豊)「たまには夜どこか食べに行かない?」

(里坂優芽子)「はい、私で良ければ」

(坂崎豊)「よかった。じゃぁ早速今夜どうかな」

(里坂優芽子)「はい、楽しみにしてます。」

坂崎さんの頬が赤く染まる。

(坂崎豊)「唇にご飯ついてる」

恥ずかしい!

(里坂優芽子)「すみません、えっと…鏡…」

(坂崎豊)「とってあげる」

そう言って大きな手が近づいてきて綺麗な指が私の唇に触れた。

(坂崎豊)「とれた」

(里坂優芽子)「ありがとうございます」

(坂崎豊)「どういたしまして、やっぱり食べてるときの里坂さん可愛い」

まっすぐな瞳に私が映る。動揺する私。

退社時間

(坂崎豊)「里坂さん先にここで待ってるね」

そう言ってメモを渡された。お店の名前と住所。

(里坂優芽子)「分かりました」

お疲れ様と声をかけ会社をあとにした坂崎さん。私はトイレで軽くメイク直しをしてから会社をしでた。

お店はすぐ分かった。有名なお店だったから。ちょっと地味な格好だけど仕方ない。坂崎は…あ、いた。

(里坂優芽子)「すみません、お待たせしました。」

(坂崎豊)「お疲れ様、里坂さん何食べる?」

緊張してるのにお腹は空いている。

(里坂優芽子)「オススメありますか?ここ初めてなので何がいいのか迷っちゃって」

(坂崎豊)「そっか、じゃぁ今回は俺が決めるね。苦手なものある?」

(里坂優芽子)「苦手な物はありません」

運ばれてきた物はどれも美味しかった。絶対高いよここ。肉なんて噛まなくてもいいくらい柔らかい。

(里坂優芽子)「はぁー、美味しかったぁ」

(坂崎豊)「はは、それはよかった。…ここの上のホテルから見える夜景綺麗なんだ。嫌じゃなかったら…」

…誘われてるんだよね。

(里坂優芽子)「はい、見たいです。夜景」

彼は優しく私の手を引いてエレベーターへ向かった。

部屋に入ると

(坂崎豊)「ここが一番夜景が綺麗に見えるんだ。…君に喜んでほしくて調べしまったよ」

そう言って照れくさそうに笑った。建物がキラキラ星のように輝いて見えた。

(里坂優芽子)「綺麗ですね」

(坂崎豊)「俺は綺麗なものを今同時に2つ見てるよ」

(里坂優芽子)「え?」

(坂崎豊)「里坂さん俺の彼女になって。ずっと好きだった。君が入社してきたとうしょから、でもその時まだ自分に自分に自信がもてなくて、自分のことでいっぱいいっぱいで、でも今は違う。君と一緒にいると癒されるんだ。食べてる顔も笑った顔も、独り占めしたい。これからもずっとそばにいてほしい。だめかな?」

(里坂優芽子)「駄目じゃない、私も坂崎さんといると胸が苦しくなるけど嫌じゃない、お昼が楽しみになってた、一緒にいれる時間が私にとって大切な時間になってた。私でよければ付き合ってください」

自然と涙がこぼれた。坂崎さんは私を引き寄せぎゅうと抱きしめた。そして甘く優しいキスをした。


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