小説恋愛小説

思わぬ出会い~短編恋愛小説


仕事に誇りを持てることはどれだけ凄いことなんだろう。私は今の仕事にやりがいを感じている。それと、恋も仕事と同じくらい大事だと思うんだけれど…

会社

デスクで書類に目をとうしていたら、


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(黒崎忠志)「句田」

黒崎マネージャーに呼ばれた。黒崎忠志。27歳。クールで仕事には厳しい人。黒縁メガネがよく似合う、見た目はイケメンだと女性社員に人気がある。

(句田世萌技)「あ、はい」

黒崎マネージャーのもとまで脚を進める。

(黒崎忠志)「このデザイン句田が一人で考えたのか?」

(句田世萌技)「はい、何か駄目な点でもありましたか?」

句田世萌技。私の名前。入社して4年目。22歳ポスターデザイナー。CMも手がけている。外見は派手な方だと思う。茶髪にゆる巻きパーマ。でも仕事に対して手を抜いたことはない。

(黒崎忠志)「いや、良くできてる、頑張ったな」

誉められた!

(句田世萌技)「ありがとうございます!」

(黒崎忠志)「お前はいつも頑張ってる。…今日用事なければ食事でも行かないか?」

(句田世萌技)「…え」

(黒崎忠志)「嫌ならいいんだ」

(句田世萌技)「いえ!いきます!」

(岸野もも)「私も行きたいです!」

(黒崎忠志)「岸野…わかった。俺の行きつけでいいか?」

(岸野もも)「はい!大丈夫でーす」

はぁ…

岸野もも。入社して2年目20歳。前髪はきれいにそろえてあって、茶髪のしっかりの巻き髪。性格は…あまり良い噂を聞かない。男性には受けは良いみたいだけど。だから、今日ちょっと心配。

(夢丘豊)「どうした?さえない顔がもっとさえない顔になってるぞ?」

(句田世萌技)「酷いことさらりと言わないでよ」

彼は夢丘豊。24歳。同期。私から見ても爽やかで、まぁわたしにはこういう意地悪言うけど女性には基本優しい。見る目はないけどね。私と岸野さん、仲が良いと勘違いしているし。

髪型はサイドに剃りが入っていて少し明るめな茶髪に軽いパーマ。悔しいことに女性社員に評判がいい。まぁ私にとって大切な仕事仲間なんだけどね。

退社時間

(黒崎忠志)「句田、岸野はまだか?」

たぶん、メイク直しです。とは言えない。

(句田世萌技)「呼んできますね!」

そう言って黒崎マネージャーから離れようとしとき、腕を捕まれた。

(黒崎忠志)「呼ばないでいい」

(句田世萌技)「え?でも…」

(黒崎忠志)「元々、俺は句田を誘ったんだ。岸野は誘ってない。行くぞ」

手を引かれ歩き始めた。手首に感じる黒崎マネージャーの体温。嬉しい。私は彼が、彼のことがずっと好きだったから。

新人のころ、何もかも初めてで、メモを取ることと必死で覚えることを心がけた。デザインを任されたとき嬉しさより不安の方が大きかった。睡眠を削って考えて悩んだ。でも、評価は厳しいものだった。

(黒崎忠志)「句田さん、よく頑張ったな。寝不足になるまで考えたんだな。でもな、ちゃんと睡眠もとること。それも仕事だ」

あのとき、私よっぽど酷い顔だったんだろうな。でもその言葉が今の私につながっている。それからだ黒崎マネージャーを意識するようになったのは。

居酒屋

岸野さん居なくて良かったかも。お洒落なバーでも静かな場所でもない。私はこうゆうところの方が落ち着くけど。

(黒崎忠志)「ここで本当によかったのか?」

(句田世萌技)「はい!かしこまったところ苦手で、こうゆうところのほうが落ち着きます。」

(黒崎忠志)「そうか」

そう言って目を細めた。

私はビールを喉に流し込む。

(句田世萌技)「はぁー。やっぱり、ビールは美味しいですね!」

(黒崎忠志)「は、句田と飲むのは本当に楽しい。でも明日も仕事だから飲み過ぎるなよ?」

(句田世萌技)「はい、分かってます。程々にします。ふふ」

黒崎マネージャーの手が私の頭を優しく撫でた。

(黒崎忠志)「本当は帰したくないんだけどな」

(句田世萌技)「え?」

(黒崎忠志)「何でもない、これ、食え上手いぞ」

(句田世萌技)「あ、はい!」

黒崎マネージャーは時々思わせぶりなことをする。

からかってるだけ。わかってる。そのたびに私は胸が苦しくなることきっと彼は知らない。
飲み終わってタクシーで家の近くまで送ってもらった。

(黒崎忠志)「本当に家まで送らなくて大丈夫か?」

心配そうな表情。

(句田世萌技)「大丈夫です。コンビニにも寄りたいので。今日はありがとうございました。お疲れ様です。」

(黒崎忠志)「そうか、お疲れ、気をつけて帰れよ」

黒崎マネージャーを乗せたタクシーは走り出した。

よし、コンビニ寄ろう。

コンビニ

水、アイスクリーム、オレンジジュースを買ってコンビニを出た。

帰宅中

暗闇の中、街灯の電を頼りに歩いていると視線を感じ後ろを後ろを振り返った。

男が私を見てにやけた。鳥肌が立って走った。男も追いかけてくる。男の手が私の腕を掴んだ

(句田世萌技)「嫌!離して!」

(男)「静かにしろ!」

怖い!路地裏に連れ込まれそうになったそのとき、

(りゅうが)「何してんの?」

男性が現れた。

(男)「!こい!」

(句田世萌技)「嫌!!」

(りゅうが)「嫌がってるだろーが!」

そう言って思いっきり男を殴った。

(りゅうが)「大丈夫?」

男はいつの間にか居なくなっていた。

(句田世萌技)「あ…ありがとうございました」

明るいところまで移動した。グレーの髪、たくさんのピアス。でも、怖くない。優しい瞳をしていたから

(句田世萌技)「綺麗な目」

口に出してはっとした。

(りゅうが)「目?」

(句田世萌技)「うん、優しい目、怖くない。安心する」

(りゅうが)「初めて言われた…」

(句田世萌技)「あ、家ここの隣なの。本当にありがとう。あ、これ受け取って」

(りゅうが)「オレンジジュース?」

(句田世萌技)「私オレンジジュース好きなの。ふふ」

(りゅうが)「…りゅうが」

(句田世萌技)「え?」

(りゅうが)「名前。そっちも聞いて良い?」

(句田世萌技)「句田世萌技です。あ、名刺」

名刺を渡した。

(りゅうが)「…へぇ世萌技ね、じゃぁまたね。」

そう言ってスタスタ歩いて行った。またねって言った?でも助かった…。


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翌朝。

会社

(岸野もも)「句田さん!どうして昨日おいていったんですか?!」

やっぱりご立腹。

(黒崎忠志)「俺が先に行こうって言ったんだ」

(岸野もも)「どうしてですか…楽しみにしてたのに」

(黒崎忠志)「大して仕事してないのに?」

(岸野もも)「え?」

(黒崎忠志)「知らないとでも思ったか?大変な仕事全部句田におしつけてるだろう、こいつは何も言わないから俺もあえて何も言わなかったが、そうゆう態度にでるならそれなりの覚悟しておけ」

知ってたんだ…。そう、私は別に苦ではなかったから仕事引き継いでたけど、見てたんだ…。知ってたんだ…。

そのあと、岸野さんは不機嫌丸出しで仕事をしていた。

(夢丘豊)「世萌技、ももちゃんと喧嘩でもした?なんか、機嫌悪そうだけど…」

(句田世萌技)「あれが本来の岸野さんだよ」

(夢丘豊)「え?!」

(句田世萌技)「今更だけど、私と岸野さん、別に仲良くないからね。むしろ苦手。」

(夢丘豊)「え?!」

目、見開きすぎでしょ。ふふ。でもなんだかすっきりした。

それから岸野さんは変わった。作り笑顔しなくなって態度も悪くなった。男性社員も近寄らなくなった。

豊は密かに岸野さんのこと、気になっていたらしくショックをうけていた。だから、飲みに誘ったりしてなぐさめた。

数日後の退社

(黒崎忠志)「句田」

(句田世萌技)「はい?」

(黒崎忠志)「これから飲みに行かないか?」

(句田世萌技)「いいですね!他に誰きますか?」

(黒崎忠志)「いや…2人で…だめか?」

今日の黒崎マネージャー、なんかへん?

(句田世萌技)「大丈夫ですよ!」

2人で向かったのはお洒落なバー

緊張する…。

(句田世萌技)「あの…」

(黒崎忠志)「句田」

(句田世萌技)「はい」

(黒崎忠志)「俺とつき合ってほしい」

え…。まっすぐ私をとらえる黒崎マネージャー。予想もしていなかった言葉。嬉しいはずなのに…。脳裏に浮かんだのは…

りゅうが…あの優しい瞳だった。

(黒崎忠志)「好きな奴が居るんだな」

(句田世萌技)「え?」

(黒崎忠志)「顔見てれば分かる。自分に素直に。後悔はするな」

(句田世萌技)「はい、ありがとうございます。」

コンビニまでまたタクシーで送ってもらった。

オレンジジュースを買って帰り道を進む。

(男)「離せ!」

(りゅうが)「あんたもこりないね、ストーカーさん」

この声…
後ろを振り返った。

(句田世萌技)「りゅうが!」

目を細めたりゅうがが

(りゅうが)「数日ぶり」

そう言った。

(男)「この女は俺のものだ!」

そう言って刃物をズボンのポケットから取り出した。

(句田世萌技)「危ない!」

とっさにオレンジジュースのペットボトルを投げつけた。刃物を握っていた手に当たり刃物は地面に落ちた。

私はあの日、襲われそうになった日から持ち歩くようになったあるものをバックから取り出し、ヒモを引っ張った。ビーとけたたましい音が響きわたる。

男は舌打ちをして離れていった。りゅうがは耳を手で押さえていた。私が手にしていたもの、防犯ブザー。音をOFFにしてりゅうがに近づいた。

(句田世萌技)「二度も助けてくれてありがとう」

(りゅうが)「今回は世萌技がほとんど解決してたよ?」

そう言って笑った。会いたかった。その瞳にもう一度私を映してほしかった。

(句田世萌技)「りゅうが…会いたかった」

一瞬驚いた表情をした彼だけど優しい表情で

(りゅうが)「俺も会いたかった」

そう言っておでこにキスをした。それを見てた人がいたなんてそのときは知らなかった。

翌朝。

会社

いつもより社員が騒がしい?

(夢丘豊)「おい!世萌技」

(句田世萌技)「どうしたの?」

(夢丘豊)「これ、お前だろ?」

そう言って渡されたのは…写真?

(句田世萌技)「何これ…」

りゅうがが私のおでこにキスしたときのものだった。りゅうがは影になっていてはっきりとは映ってはいないけれど私ははっきり映っていた。誰がこんな事…

(岸野もも)「汚らしい」

そういって笑う岸野さん…、もしかして…。

(句田世萌技)「岸野さん…もしかして」

(岸野もも)「そうよ、本当は違う写真撮るはずだったんだけど、あの男全然役にたたないんだもん」

(句田世萌技)「男?…」

(岸野もも)「ストーカー男。金まで払ったのにさ、句田さんが悪いんですよ?黒崎マネージャーを独り占めするから」

じゃぁ、あれは全部岸野さんがしこんだこと?…なんで…

(黒崎忠志)「何の話をしている」

(岸野もも)「句田さんが尻軽女って話をしてたんです。」

そう言って笑顔を作る彼女が恐ろしい。

(夢丘豊)「世萌技はそんな女じゃない、いい加減なこと言うなよ!」

(句田世萌技)「…豊」嬉しい。分かってくれてる。わたしのこと。」

(黒崎忠志)「泣くな、句田は何も悪くない」

そう言って温かい指先が頬に触れた。

(岸野もも)「何で?!こんな女ばっかり優しくするの?!」

(りゅうが)「君がみにくいからだよ」

(句田世萌技)「りゅうが?」

え…、どうしてここに?

スーツに、黒髪。

(りゅうが)「君は明日から…いや、今からクビだ」

(岸野もも)「あんた何様?!」

(りゅうが)「将来社長様」

(黒崎忠志)「りゅうがさん!どうかされたんですか?」

(りゅうが)「父さんに用があってね」

(黒崎忠志)「社長にですか?」

(りゅうが)「そう」

そう言って私に笑いかけた。父さん?社長?もしかして…

(句田世萌技)「社長の息子さん?」

(りゅうが)「あたり。名刺もらったとき驚いたよ。うちの社員とはね、本当はつぐきなかったんだけど、世萌技の楽しそうな一生懸命働いてるからさ、一緒に働きたくなった。密かに見てたんだ」

(岸野もも)「私も…一生懸命働いています!」

(りゅうが)「仕事中にマニュキュア塗ってる人が?」

彼女は黙り込んだ。

(りゅうが)「世萌技ずっと側にいてほしい」

(句田世萌技)「わたしも!…側にいてほしいです。」

するとりゅうがは微笑んで唇にキスをした。

みんなの前で。


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