恋愛小説

想い人は山田くん~短編恋愛小説


山田くん、私の大好きな山田くん。誰にも、とられたくない!  

学校

(戸口未里耶)「美夢ちゃん~。見て新しいネイル~!」

(小川美夢)「あ、ほんとだ、ピンク似合ってる。この前のもよかったけどこれもいいね!」

戸口未里耶。可愛い物好き。とってもお洒落でサラサラのストレートのベージュに近い茶髪。…問題が一つ。


スポンサーリンク




(戸口未里耶)「やだー、今の子見た?メイクケバいしあの髪型ダサくない?」

性格が悪い。

(小川美夢)「そんなこと言ったら、私どうするの?ノーメイクだし黒髪のショートカットだよ?」

(戸口未里耶)「美夢ちゃんはいいの。人にこびないから」

それ喜んでいいの?

(鳥井誠)「おはよー!未里耶ちゃん会いたかった!」

勢いよく教室に入ってきた鳥井誠。金髪にたくさんのピアス。切り長の目、見た目はクール。中身は真逆。未里耶が大好き。

(戸口未里耶)「未里耶も誠に早く会いたかったぁ」

思ってもいないだろ。鳥井くんのことだからまにうけるよ。…ほら、鳥井くん、ニタニタしてるよ…。

ここ教室だから、みんなこっち見てるから。

(山田勝)「おはよう小川さん」

2人を見てて彼が来たの気がつかなかった。

(小川美夢)「山田くん!おはよう」

緊張する。山田くん。山田勝。短髪で爽やかで、性格は穏やか。

(山田勝)「誠、今日も戸口さんにべったりだね」

眉を下げ困ったように、呆れたように笑う彼。

(小川美夢)「私はもうなれちゃった、2人のやりとり、ふふ」

突然、まっすぐ私を見て

(山田勝)「小川さんって笑うと本当可愛いよね」

鳥井くんに汚染されてる?!

(小川美夢)「駄目だよ!そうゆうこと簡単に言っちゃ!鳥井くんに汚染されちゃ駄目!」

(山田勝)「あはは!汚染って!小川さん、面白すぎ!」

(切谷歩)「そこどいて、座れない」

(山田勝)「あ、悪い、気がつかなかった。」

(小川美夢)「ごめんね、切谷くん」

(切谷歩)「小川さんは何も悪くないよ。ちゃんと自分の席に座ってるだけでしょ?」

そう言って目を細めた。切谷歩。真面目で黒髪。黒縁メガネがよく似合う。

(山田勝)「切谷って俺に冷たくない?」

(切谷歩)「そう?嫌いなだけだよ」

速球…

(山田勝)「小川さん…」

助けを求めてる顔可愛い…。

(小川美夢)「からかわれてるだけだよ」

たぶん。

(切谷歩)「そんなことより小川さん、放課後あいてる?」

(小川美夢)「放課後?空いてるよ」

(切谷歩)「図書館でも行かない?この前分からないところあるって言ってたでしょ?教えるよ」

そう、数学でどうしても解らないところがあって悩んでいた。

(小川美夢)「ほんと?じゃぁ教えてもらおうかな」

(山田勝)「あ、俺も教えてほしい」

(戸口未里耶)「なになにー?何の話?」

私の周りに人だかりが…。

(小川美夢)「切谷くんに勉強教えてもらうの」

(戸口未里耶)「未里耶も分からないところある~」

(鳥井誠)「あ、俺も~」

あって言った。絶対今、未里耶に合わせたな。

(切谷歩)「俺は小川さんに言ったんだけど」

(山田勝)「じゃぁ俺の家くる?今日親居ないし、姉貴は…まぁ夕方から仕事だし。」

切谷くん無視されてる!でも、山田くんの家行ってみたい!私は山田くんが好き。この気持ちは誰にも気づかれてないと思うけど告白する勇気はないから今の関係で充分幸せだ。

(戸口未里耶)「未里耶、山田くんの部屋見てみたい!あ、もちろん勉強もするよー!」

(山田勝)「じゃぁ決まり」

爽やかな笑顔を向ける山田くんに対してため息をつく切谷くん。ごめんね切谷くん。でも、私も山田くんの部屋入ってみたい。誰だって好きな人の部屋興味あるよね。

放課後

徒歩10分。

(鳥井誠)「俺、何度かお邪魔したことあるけどいつみてもやっぱり凄いわ」

淡い青い壁に大きい庭。玄関も広い。洋風な家。

(戸口未里耶)「山田くんのお家広いー。迷っちゃうー。」

そう言って彼の腕に腕を絡ませて胸を押し当てる。ああ…。未里耶のやる気スイッチONになってる!

(小川美夢)「お邪魔しま…す」

中も凄い…。え?右手温かい。

ふと見上げると

(切谷歩)「みんな行っちゃったよ?俺たちも行こう?」

切谷くんの手だった。手を繋いだ状態で進む。これって普通どうするべきなのかな?緊張して汗ばんできた。

(山田恵)「何ー?何か騒がしいんだけどー?」

ショートパンツにへそ出しキャミソール姿の綺麗な人が頭をわしゃわしゃかきながらこっちに向かってきた。

(山田恵)「誰?」

(小川美夢)「は、はじまして!勝くんのクラスメートの小川美夢といいます!あ、あの突然お邪魔してすみません!」

じーと私を見る綺麗な人。

(山田恵)「あなた美人ね!礼儀正しいし、もしかして勝の彼女?」

(小川美夢)「え?!え?!と、とんでもない!私なんて月と毛虫です!」

(山田恵)「あはは!毛虫って、あなた面白いわね」

あ、笑っても綺麗な人。

(山田勝)「姉貴!?またそんな格好で…小川さんたちは何で手繋いでるの?」

あ…そうだ!手繋いでたんだった。

(小川美夢)「あの」

(戸口未里耶)「ほんとだー未里耶も山田くんと手繋ぐー」

(山田恵)「その頭悪そうな子誰?彼女じゃないわよね?」

(山田勝)「姉貴…言葉選んで。みんな、俺の姉貴。姉貴、俺のクラスメート」

未里耶不機嫌丸出し…。

(鳥井誠)「俺は何度か会ったことあるよー、ねー、お姉さん」

(山田恵)「そうだった?」

(鳥井誠)「ちょっと、お姉さんー」

(山田恵)「あはは!冗談だよ。久しぶり誠くん」

(山田勝)「姉貴はいいから、部屋行くよ」

一時間後

(切谷歩)「真面目にやってるの俺と山田と小川さんだけじゃない?」

確かに…。未里耶はスマホに夢中だし、鳥井くんはゲームに夢中だ。数学の分からないところを聞こうとしたとき、ドアが勢いよく開いた。

(山田恵)「ねぇ、そのこ借りていい?」

お姉さんがガシッと手首をつかまれた。

(山田勝)「ちょっ」

(山田恵)「ちゃんと可愛くして返すから~じゃぁあとで」

バタン。…え?

(小川美夢)「お姉さん?」

(山田恵)「恵…恵って呼んで」

(小川美夢)「恵さん?」

(山田恵)「うん、よろしい」

あ、微笑んだ顔山田くんに似てる。恵さんの部屋にお邪魔した。女性らしいものがいっぱいあって、私の部屋とは大違い。


スポンサーリンク




(山田恵)「美夢ちゃんは勝のどこが好きなの?」

(小川美夢)「え?!」

(山田恵)「好きなんでしょ?」

(小川美夢)「はい」

(山田恵)「あはは、素直でよろしい」

(小川美夢)「…優しいとか格好いいとかそんな言葉では現せない、言葉にできない感情なんです。ただ…側にいると胸が苦しくなります。」

(山田恵)「…あなたやっぱり美人ね、心も。」

(小川美夢)「え?」

(山田恵)「あのこ、見た目ああだから、いいこともあるけど嫌なこともいろいろあるのよ。外見しか見ない女多いからね、でも、美夢ちゃんは違う。私はキャバクラで働いてるから分かるの、嘘ついてる人とか作り笑顔とかね。あなたは素直よ。だから、これから私が素直なシンデレラに魔法をかけてあげる。ふふ。まぁずっと妹がいたらメイクしてあげるのが夢だったのよ。いい?絶対可愛くしてあげるから!」

(小川美夢)「…私でよければ!でもお仕事いいんですか?」

(山田恵)「休んだ!こっちの方が大事!」

いや、絶対仕事の方が大事だよ!

(山田恵)「メイクはね、ただ塗ったくればいいわけじゃないの、その人にあった顔のメイクってあるのよ。それにしてもカラコンしてるみたいに綺麗な瞳してるわね、羨ましいわ。私が映ってる、はは、当たり前か。」

(小川美夢)「ふふ、恵さんだって美人ですよ?」

(山田恵)「こう見えて努力してるからね。スポーツジム通ったりエステ行ったり自分で顔マッサージしたりね」

(小川美夢)「そうなんですか?!」

(小川美夢)「うん、でも美夢ちゃんも鍛えてるでしょ?身体。」

バレてる。

(小川美夢)「何で分かったんですか?」

(山田恵)「身体のライン見れば分かるよ」

そう、いつも家で腕立てと腹筋を欠かさず毎日している。

(小川美夢)「私…少しでも自信が欲しかったんです。」

(山田恵)「うん、私もよ。女は特に美を意識するからね、努力してる人、私好きよ、応援してる。」

(小川美夢)「ありがとうございます!」

(山田恵)「よし、メイクおしまい!勝に見せておいで!」

(小川美夢)「え!?…でも」

(山田恵)「大丈夫よ、あいつ…あなたのこと…ふふ、とにかく大丈夫よ!行っておいで」

(小川美夢)「は、はい!」

山田くんの部屋をノックした。

(山田勝)「はい」

ドアが開いて私を見て山田くんは固まった。

(小川美夢)「山田くん?」

(山田勝)「ちょっときて」

腕をつかまれて隣の部屋に連れてこられた。

そしてぎゅうと抱きしめられて

(山田勝)「反則」

そう言って薄暗い中、私を見つめ、また身体を引き寄せ優しくキスをされた。

(山田勝)「ごめん…」

何のごめん?付き合えないのにキスしたこと?

(小川美夢)「大丈夫、気まぐれだよね?気にしてない。部屋戻るね」

泣きたい…。山田くんの部屋に入った。

(鳥井誠)「小川さん?!メイクしたの?チョー可愛い!」

(切谷歩)「うん、凄く似合ってる」

(小川美夢)「ありがとう」

ちゃんと笑えてるかな…

(戸口未里耶)「山田くんのお姉さんにメイクしてもらったの?言ってくれれば私がもっと可愛くメイクしたのに!」

何かライバル意識してる?…

(切谷歩)「小川さんこっちおいで」

隣りをぽんぽん叩いて誘ってくれる切谷くん。

(小川美夢)「うん」

そっと隣に座った。

(切谷歩)「何かあった?山田と」

(小川美夢)「何もないよ」

(切谷歩)「嘘つき」

優しく頭を撫でて小声で

(切谷歩)「口紅まばら」

隠しきれなかった。

そして、切谷くんは、みんなの前で私の後頭部を引き寄せ、目を閉じキスした。

何で…?

(戸口未里耶)「え?!2人ってそうゆう関係だったの?!」

(鳥井誠)「おいおい、そうゆうのは人前でするなよー」

(切谷歩)「好き。山田にとられたくない」

…どうしてそんなこと言うの?混乱する…本気で言ってるの?

(小川美夢)「帰る」

その後何か言われた気がしたけど聞く余裕なんてなかった。わからない…。嬉しいとかより悲しい…私の気持ちを無視されているみたいで涙が自然とこぼれた。

(山田恵)「美夢ちゃん?!どうしたの?上手く行かなかったの?」

帰ろうとリビングを通り過ぎたとき、恵さんに見つかってしまった。思わず恵さんの胸で泣いた。

(山田恵)「…よしよし、何があったの?話聞くから泣かないで…メイク崩れちゃうよ?ふふ、なんてね、泣きたいときは無理して我慢することないの、思いっきり泣いていいの。またメイクしてあげる!」

私はさっきの出来事を恵さんに全部話した。

(山田恵)「そっかぁ。で、美夢ちゃんの気持ちは?2人がしたことは、身勝手なことだったとは思うよ?でも自分に素直だと思うな。美夢ちゃんも自分に素直になってみてもいいと思うよ?」

自分に素直?私は…

その後、帰宅した後、2人にラインを送った。

私の今の素直な気持ちを。

翌朝

学校

(切谷歩)「おはよう小川さん」

(小川美夢)「おはよう、切谷くん」

逃げない、ちゃんと向き合わないと意味がない。

(切谷歩)「俺、振られたんだね」

(小川美夢)「切谷くんのこと好きだよ。でも友達としての好きなの。ごめんなさい。」

(切谷歩)「ううん、知ってた、君があいつしか見えていないことくらい。だってずっと見てきたんだから。はっきり振られてすっきりした。ありがとう」

(小川美夢)「こちらこそありがとう」

ちゃんと笑えてる?これでいいんだよね。だって私の気持ちは…

(山田勝)「小川さん」

彼にしかときめかないのだから。

(小川美夢)「昨日は突然帰ってごめんね」

(山田勝)「いや、俺も悪かったし、それより昨日のライン本当?」

(小川美夢)「うん、私、山田くんが好きです。つき合ってください!」

(山田勝)「心変わりしても遅いからな?」

そう言って目を細めて微笑んだ。

(戸口未里耶)「ちょっとー!未里耶は?美夢ちゃんより未里耶のほうがよっぽど可愛いのにー!」

(山田勝)(切谷歩)「いや、小川さんのほうがよっぽど可愛い。」

(鳥井誠)「ごめん、俺もそう思う。あの小川さん見ちゃうとねー」

(戸口未里耶)「皆ひどい!」

(山田勝)(切谷歩)(鳥井誠)「酷いのは君の性格」

(戸口未里耶)「もう!しらない!!」

笑った。山田くんが隣で目を細めて笑ってる。

幸せだ。

私の好きな人は山田くん


スポンサーリンク




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です