美容・健康

メンズ美容室・美容院で実現した女性にモテる髪型


女性にモテたい。

女性にモテたいが、人には生まれ持ったもので変えようのないものがある。
それは、骨格だったり、顔のパーツだったり、身長だったり、そういった整形手術でもしない限りは変えられない身体の造りだ。

こればかりはどうしようもなく、整形手術をしてまで、とも思うし、第一その金銭的な余裕もなかった。

しかし、モテたいのだ。
モテていない現状を変えるには、自分が変わらなければならない。

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性格は悪くないと思う。
友人は沢山いる。
仕事の評価も悪くないし、客先からもかわいがってもらっている。

収入だって悪くはないはずだ。
真面目に働いて、きっちり稼いでいる。

大富豪ではないが、女性ひとりと子ども2人ぐらいは養っていけるであろう、割と将来安泰な大企業に勤めていた。

となると、変えるべきところは、やはり外見なのだ。

骨格や顔のパーツ、それから身長は仕方ない。
それ以外で変えられるのは、体重や体型、要はスタイルと、それから髪型ぐらいだろう。

体型は、中肉中背で、超細身ではなかったし、マッチョな体格でもないが、太っているというわけでもなかった。
モデルじゃあるまいし、今の自分の体型が丁度良いと思われた。

残された変えられるところは、髪型しかないじゃないか、この結論に辿り着いて、僕は「よし、髪型を変えてイメチェンだ!」と思い立った。

そうは言っても、長年このヘアスタイルで過ごしてしまった僕には、一体どんな髪型にすべきなのか皆目見当もつかなかった。

今の流行はどんな髪型なのか、女性が好きな髪型はどんなものなのか、果たしてどんな美容院に行けば良いのか、一体全体いくらぐらいかかるものなのか、まるで分からなかった。

髪型を変えようにもどこへ行けば良いのか分からなかった僕は、インターネットで美容室を探してみた。

ところが、そもそもどういったキーワードで検索をしたら良いかという段階で躓き、そういえば行きつけの歯医者に置いてある雑誌に男性向け、女性向け、それぞれのファッション誌があったな、と思い出し、その雑誌名で検索してみると見つかった。

迷わずインターネット越しに注文し、届くのを待った。

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数日で雑誌が届き、僕はとりあえず眺めてみたが、どうにもピンと来なかった。自分の顔をモデルたちの顔とすり替えてみても、なんだか似合っていないような気しかせず、なかなか個性的な髪型は自分には少し敷居が高いように思えて、尻込みしてしまった。

こんな髪型にしたい!というものは残念ながら見つからなかったが、なんとなく女性が好む髪型のイメージは掴めたように思う。

雑誌にはヘアスタイルの名前やカット名などが掲載されていたので、それを参考にインターネットで更に調べてイメージを膨らませた。

具体的なイメージが湧いてきて、ヘアスタイルの名前なども知ると、美容室も探しやすくなった。

インターネットで沢山の美容室のページを見て、大体の相場を把握したが、自分がいつもお世話になっている美容室(という名のほぼ床屋)の価格よりもかなり高額だった。

いや、これもモテるための自己投資と思えば、決して高くない!
そう言い聞かせて、どうにか自分を納得させて、僕はひとまずインターネットで探し当てた美容室に単身乗り込むことにした。

電話するにも緊張し、無事予約が取れてほっとしたものの、当日は電話をかけるよりもずっと緊張した。

見るからに高級そうな店構えで、僕のような一般庶民は入ってはいけないような、そんな威圧感さえ感じた。
心なしか、この辺りの通りを歩いている人々が皆やけにお洒落に見えてきた。

しかし電話で予約を取ってしまっていたので、今更後に引くわけにはいかない。
僕は思い切ってドアノブに手をかけた。

店内はなんというか、ゴージャスという表現がピッタリな雰囲気で、こざっぱりした清潔感とは違う、なにかとんでもなくラグジュアリーな空間だった。

ますます居心地が悪くなり、僕はもじもじと受付を済ませた。

スタッフたちは、感じが良いとか、親切そうとか、そういった印象よりも、ノリが軽いとか、チャラチャラしているとか、そのような印象だった。

早くも心配になり、しかしインターネットですぐに見つかるぐらいの店舗なのだからきっと大丈夫、と信じて自分の順番を待った。

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名前を呼ばれて鏡の前に座る。

「今日はどんな感じにします?」
スタッフにそう聞かれ、答えに詰まる。

「あ…あの…」
思わず口ごもる僕をけげんな顔で見てくるスタッフの視線が痛かった。

口が裂けても「モテる髪型に」なんて言えなかった。

「最近の流行とか、よく分からなくて、何かオススメというか、今のトレンドを盛り込みつつ、華美にならないような、そんな感じでお願いします」

足りない語彙を搾り出して、これだけ伝えた。

「お任せって感じで大丈夫っすかね?」
スタッフはそう返して、僕が「うー」と肯定とも否定ともつかないうめき声を上げたのを、肯定と判断したらしく、おもむろにハサミを入れた。

正直、不安の方が大きかった。
なんだかロクな事にならないような気がした。

そしてその予感は見事に的中した。

鏡を見て、僕は愕然とした。
そこには色々な意味で見違えるような自分の姿が映し出されていた。

確かに流行のヘアスタイルなのだろう。
事前に見ていた雑誌のモデルたちのヘアスタイルを彷彿とさせなくもない。

だが、絶望的に似合っていなかった。
そこには違和感しかなかった。

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「トレンド、取り入れてみました」
スタッフは自分の腕前を自慢するように僕に告げたが、僕がどんなにひどい表情をしているかまでは汲み取ってくれなかった。

気の弱い僕は「そうはいっても自分もちゃんと伝えられなかったし、自分が悪いと言われれば、それまでだな」と、何も言わずに会計を済ませてしまった。

しかし、こんな髪型ではとてもとても恥ずかしくて会社にも行けない。
一刻も早くどうにかしなくては。

背に腹は変えられぬ思いで、なじみの美容室へ駆け込んだ。
馴染みゆえに笑われるかもしれないが、腕が確かなのも知っている。

見慣れた気取らない店に入ると、案の定「どうしたの、それ」と突っ込まれたが、道中で用意していた「や~、会社のバツゲームでさ、今の若者の流行の髪型にさせられちゃったんだよ。ちょうど切らなきゃって思ってたところだったし、別にいいんだけど。というわけで、これ、どうにかして」という台詞をよどみなく述べた。

「いいけど、いつもより短くなっちゃうよ」
いつも僕の毛を切ってくれるお姉さんがそう言いながら準備を始めた。

仕方が無い。
失敗の1つや2つはつき物だ。

僕は開き直って、いつもの安心感をもって、髪を短くしてもらった。

鏡を覗き込むと、確かにいつもよりも短髪になってしまったものの、見慣れた頭部がそこにあった。

「しっかしセンスなかったわね~」
容赦なくお姉さんが言い放ったのを聞いて、僕はつくづく「ハズレだったなぁ」と悔やんだ。

そうだ、と僕は思いついた。
ここのお姉さんだって立派な美容師なんだし、お願いしたらやってくれるかもしれない。

僕は「ところでさ」と口火を切った。

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お姉さんは、しかし「私にはできないよ」とバッサリと僕を切り捨てた。

「ここにはそういうものを求めるお客さんは来ないし、そういう料金プランも無いし、やってできない事はないかもしれないけど責任取れないし、嫌だね。ま、いつもので良いってんならいつでもおいでよ」

それだけ言われて、僕は追い出されてしまった。

一瞬でも期待した自分がバカだった、と少し後悔したものの、次こそは良い店を探すぞ、と意気込んで家に帰った。

帰宅してから、インターネットで、先日訪れた美容室について再度調べてよくよく読んでみると、評判だったのは「悪評」の方だったという事が発覚した。

クチコミの件数は多いが、あまり良いとは言えないものが多く、それが話題になり、インターネット検索をかけた時に上位に表示されていたらしいのだ。

なんてこった、と僕は思った。
気が早ってクチコミまできちんと読んでいなかったのだ。

しかし今更後悔しても遅い。

僕は気を取り直して、新しい美容室を探す事にした。

髪が伸びるまで時間がかかったので、僕はじっくりと検討した。
そして、行きやすく、価格も常識の範囲内で、クチコミの評価が非常に高い何店舗かの美容室に目星をつけた。

そして満を持して、髪が良い感じに伸びたころ、その時の気分で僕は最も気になった店舗へ電話をかけた。

電話口から、前の美容室とは大きく異なっていた。

まず、初めてかどうか確認され、初めての方はクーポンが使えるので持ってきてくださいね、とまでご親切に案内いただき、無事予約を済ませた。

期待に胸を膨らませて迎えた当日、僕はしかし不安も少しだけ抱えて店を訪れた。

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小ぢんまりした外観は、人を威圧したり、圧倒したりせずに、むしろ思わず足を踏み入れてしまいそうな、入ってみたいなと思わせるような、感じの良さだった。

ドアには大きなガラスが埋め込まれていて、店内の様子がよく分かった。

扉を開けて中に入ると、「いらっしゃいませ」という明るく、しかし決して耳障りではないスタッフたちの声が迎えてくれた。
男女半々ぐらいだろうか、少し女性スタッフの方が多いような印象だった。

受付で名乗ると「お待ちしておりました。おかけになってお待ちください」と丁寧に案内されて、僕は椅子に腰掛けて自分の番を待った。

名前を呼ばれて案内された席に向かうと担当は男性スタッフで「どうぞおかけください。あ、お荷物はこちらへ」と丁寧にバスケットを差し出してくれた。

「はじめまして」という挨拶の後、軽く自己紹介をしてくれて「初めてのご利用という事で、当店をお選びいただき、ありがとうございます」とご丁寧にお礼まで言われてしまった。
僕は恐縮してしまったが、その後「ご希望のヘアスタイルや、イメージとかってありますか?」と聞かれて、また困ってしまった。

「何か、こう、芸能人とか、雑誌に載っているモデルさんの髪型でも良いですし、短くサッパリとか、軽くウェーブとか、何でも良いですよ。あ、イラスト描いてくださるお客様もいらっしゃいますが、絵はお得意ですか?」

僕の緊張をほぐそうとしてか、スタッフさんはよく喋りながらシャンプーしてくれた。

「絵はダメですね」
そう答えると、「奇遇ですね。僕もなんです」と返された。

フレンドリーだな、と思いながら、それならこのフレンドリーな空気感を最大限活用してやろうと思い、勇気を出して、モテるヘアスタイルを研究しているのだが、流行の髪型はどうも自分には似合わないような気がするし、どうしたら良いか正直分からない、と伝えてみた。

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すると「なかなかそんな風に直球でリクエストするお客様は少ないですよ!」と笑いながらも、真剣に僕に似合う髪型を考えてくれた。

輪郭がこうだからこう、とか、目が少したれ目だからこう、とか、眉も手を入れて良いなら少し整えましょうか、とも言ってくれた。

ここまで考えてくれるならば、任せてしまっても大丈夫だろう、そう思い、僕は全てをこの美容師に任せる事にした。

されるがままになり、1時間近く経ったろうか。

「はい、できましたよ~」

そう言われて、鏡を見て、思わず息をのんだ。
そこには見慣れた自分の顔と、垢抜けたイメージチェンジ後の自分の顔が、見事に混在した姿が映し出されていたのだ。

「嫌らしい感じを出さないように、なるべく自然に、でも今までとは違う感じで整えてみました」
スタッフはそう言って、

「どうでしょうか。なにか気になるところ、ありますか?」
と聞いてくれた。

「ないです!完璧です!すごいです!」
僕はただ感激して、それしか言えなかった。

そしてこの僕の感動は、周囲からの評価にダイレクトにつながった。

「なんかかっこよくなったね」

「なんとなく垢抜けたね」

「何が変わった?あ、髪型?」

このような具合で、周囲の友人知人たちは、僕の絶妙な変貌に確かに気付きながら、不自然ではないという事をコメントで実証してくれた。

そして、この微妙かつ絶妙な変貌こそが、驚くべきことに、僕をモテる男にした。

信じられない話かもしれないが、髪と眉を整えてから、なんと3名もの女性に交際を申し込まれたのだ。

たまたまなのか、何なのかよく分からないが、僕は心底嬉しく狂喜乱舞した。

髪型と眉毛だけでこんなにも人の印象が変わってしまうのか、と実感し、つくづく人というのは不思議なものだなと思うとともに、これからもあの美容室にお世話になって、薔薇色の人生を楽しもうとわくわくした。

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