ライフスタイル

大人の男性にはおしゃれなメンズブランド財布がおすすめ


財布はこだわりたいな、と僕は社会人歴がある程度蓄積されたころ、ふとそう思った。
ちょうど「大人の男性」に片足を踏み入れたというか、青年から壮年に変わる頃だった。

それまでは、自分の気に入ったデザインのものを選んだり、使いやすさを重視した上で、とにかくコストパフォーマンスが良いものを探して入手してきた。

安いものは物持ちがそれほど良くなかったが、1~2年ほどで使えなくなった財布は、新しいものに替えてきた。その方が気分も変わるし楽しかったのだ。

鞄やポケットに無造作に突っ込んで、それほど大事に扱う事もなく、手入れも全くしなかった。

若いうちはそれで十分だったし、下手に高級なブランドものの財布なんて持っていたら、周囲から浮いてしまい、恥ずかしいような気もして、第一そもそも興味も無く、僕は自分はブランドには全く関心がない人間なんだと自身の事を理解していた。

しかし、人間、不思議なもので、歳を取ると、考え方も価値観も変わるようだ。

まだ社会人になりたての頃は上司に連れられて食事に行き、ご馳走になる時にその上司が取り出す、いかにも高級そうな革の長財布を見て「カッコイイなぁ」と憧れた。
そしてその上司の立ち居地に、徐々に近づきつつある自分がいる事に、最近気付いたのだ。

後輩の数が増え、飲み会に出かけても、自分が奢ってやることの方が多くなってきた。

僕はまだ独身だが、同期の中には結婚した者もいて、そのうち数名は既に父親になっている。父になると、かなり貫禄が出てきて、若い社員たちからも一目置かれるようになっているようだった。

勤続年数が増えると、自然と年収は上がっていく。

僕は幸い、スピード出世とは言えなかったが、出世街道からはみ出す事もなく、順当なステップアップを踏んでいた。まだ役職がつくというほどのものではないが、チームリーダーやプロジェクトリーダーを任されるようになっていたのだ。

上司たちからの評価も悪くないと自負している。このまま数年間今の調子で頑張れば、そろそろ係長あたりのオファーが来るような気がしていたし、実際、それを匂わせるような事を上司から言われたことも複数回あった。

自分が歳を取っているんだなぁと自覚すると共に、貯蓄もそれなりに増え、金銭感覚が変わりつつあるのを感じていた。

食事も、学生の時は数百円の学食や、ファストフード店で済ませたり、飲み会だって飲み放題つきのコースで3,000円という学生向きの格安チェーン店にしか行かなかったのが、社会人になり、飲み会ならば1回で4~5000円は当たり前、という感覚になり、最近は後輩達に奢る分が加算され、1万円近い金を払っていた。

「安かろう悪かろう」から「良いもの」を欲するようになってきているという自覚もあった。

安ければ何でも良い、という思考は学生時代と、社会人2年目ぐらいまでのもので、自分の持てる金が増えるごとに、良いものを自分のものにしたいという願望が強くなっていた。

かといって湯水のように浪費するわけではなく、きっちりと貯めるところは貯めて、使うところで躊躇せず使う、というのが僕流のお金の使い方だった。

そんな僕が財布を新調し、良いものに替えたいと思ったのは、財布はステータスを如実に表すし、人目につきやすいからだった。

良い財布をスッと鞄から取り出した上司のかっこよさは今でもよく覚えている。
あんな上司になりたいと憧れた。そして、今、僕は「あんな上司になりたい」を実現したいと強く思っているのだった。

地位を築き上げ、財力がある人間は、良い財布を持ち、またそれが似合っている。
決っして浮いてしまうことなく、その人間にピタリと合っているのだ。

そんな男性になりたくて、僕は良い財布が欲しかった。

それに財布は金が集まり、行きかうところだから、金運にも大きな影響力を与える。

良い財布を持っていれば自然と金が集まってくると聞いた事があった。
金運を左右するのも、また財布なのだ。

では良い財布とはどんな財布なのか。
これはもう、最も間違いがないのはブランドものの高級財布だろう。

高品質の素材を使った間違いない「良いもの」を売り出し、世界中から愛されている数々の有名ブランド。
グッチやエルメス、ルイ・ヴィトン、カルティエ、フェラガモ、バーバリー、ボッテガヴェネタ (ボッテガ・ヴェネタ)、ブルガリ、ダンヒル、など、いくらでも思いつく。コーチやプラダは女性もののブランドというイメージが強いが、男性向けの商品も積極的に開発しているらしい。

あまり有名でないブランドの財布も沢山あり、質にこだわり知名度はあまり重要視しないという人にはいくらでも追及する余地があるのだが、僕はあえて知名度を重視して選びたかった。

理由は、誰が見ても分かるブランドの方が一目置かれるからだ。

見てくればかり、という、見栄っ張りな理由とは少々異なり、それだけのものを持つことができる財力と、それだけのものを持っても不相応にならないような大人感を演出するために、あえて僕は誰でも知っているブランドの、高級な財布を手に入れたかったのだ。

そうなってくると、先の名だたるブランドたちが候補になるわけで、僕は自分の中で予算をある程度決めて、その前後で気に入ったデザインのものを買おうと思った。

予算は、色々調べてみると、安いもので3~4万円程度からあるが、大体スタンダードで5~6万、良いもの、こだわりのものだと10万円近く、そしてプレミアがつけば数十万もザラ、といったところだった。

流石に数十万は出せない、という事で、僕は予算を8万円に定めた。あまり安すぎるものも嫌だったので、5万円以上8万円以下で探す事にした。

ちょうど良い価格帯だったようで、このぐらいの予算だと沢山の財布が候補として並んだ。

まず、どんなに有名なブランドでも、ロゴのデザインが気に入らないところのものは候補から外した。
そこはやはり気に入ったデザインのものが良いからだ。

ロゴにこだわった理由として、ロゴがきちんと見えるところに、ある程度主張してデザインされているものが良かったという思いがある。

無地のもので、財布の内側にロゴが書いてあっても、見た人がすぐにどこの財布なのか分からないものは僕の中ではNGだった。

そうなると、気に入ったデザインのロゴと、それが財布にわりと主張してデザインされているという条件で探す事になる。そんなものそんなにあるのかな、と思いきや、さすが有名ブランドだけあって、自社のブランドには絶対の自信を持っているようだった。

ロゴの入った財布はとても多く、しかもその中のほとんどがパッと見ただけですぐに目につくように、きちんと主張しているものだった。

あまり仰々しいのも、いかにも、という感じで好ましくない。
バックルなどでシンプルに主張しているか、財布そのものの色と同系色で煩くならないようにさりげなく主張しているか、そのどちらかが好ましかった。

予算とデザインの好みがはっきりとしたところで、僕は複数のブランドショップに足を運んで財布を吟味した。
販売スタッフさんたちはとても丁寧で、まだ比較的若い年齢層の僕にも敬意をもって接してくれた。

何の革を使っているか、使い勝手はどうか、今年は何が人気か、どのくらいの年月使えるか、など細かく一つひとつの財布について解説してくれて、そのコメントと実物をよく吟味して選んだ。

なかなか搾ることができずに随分時間がかかってしまったが、僕は2つまで店舗をしぼり、その中で3つの財布を候補とするところまで辿りついた。

3つとも甲乙つけがたく、どれになっても大満足ではあったが、一長一短というところもあり、一つはデザインはとても気に入ったけれど、少しだけ使いづらく、入れられるカードの枚数が少なめだった。
スタッフさんに言わせると、沢山カードを入れすぎると財布が膨張してスタイリッシュさに欠けてしまうため、あえて収容可能枚数を減らしてスッキリとしたフォルムを保てるように工夫されているんです、との事だった。

それは一理ある。納得の理由だ。
ただ、そうは言っても、カードを財布に入れておきたいのもまた事実で、僕個人としては、カードは沢山入るほうが有り難かった。

もうひとつは反対にカードは沢山入るし、収納という面では申し分なかったが、デザインがさきほどの財布よりも少しだけ魅力に欠けた。決して悪くはないのだが、もう一歩、というところだった。

この2つが同じ店舗の財布だった。

もう1つの店舗では1つ、デザインも機能面でも納得の素晴らしい財布だったが、価格が予算を上回ってしまっていた。数百円程度ならば即決するのだが、1万円近くのオーバーで、悩ましいところだった。

高い買い物だから、じっくり考えたくて、僕は友人にも付き合ってもらって、意見をもらおうと思ったが、同世代の友人は「そんな高級なものを・・・!」と言う意見を持っている者の方が多く、なんとなく言い出しにくかった。

憧れの上司に相談してみても良いかな、とも思ったが、財布ひとつ程度で時間を奪ってしまうのも申し訳ない。

悩んだが、僕はお昼休みの少しの時間だけなら、と思い、上司に財布を買おうとしている事、今3つの財布で揺れている事、アドバイスが欲しい事などを尋ねてみた。

すると上司は「俺も財布には拘りたくてな」と嬉しそうに語り始めた。

ふんふん、と聞いていたが、要約すると「直感で気に入ったものを持つのが良い」という事だった。

機能性も確かに重要ではあるけれど、視界に入ってくるものだから、高いお金を払うならば気に入ったデザインのものの方が良い。機能性なんて、使っているうちに慣れるから、と言っていた。

そうなると、2つの財布で迷っている店の、デザインが気に入った方の財布になる。

カードは、確かに減らすなり、一緒にできるものは一緒にするなり、定期入れに移すなり、工夫すればどうにかなりそうだった。そもそもカードが入りきらないから悩むなんて、スタイリッシュとはほど遠い。
あやうく生活感丸出しで財布を決めてしまうところだった。

上司のアドバイスを受けて、僕は、デザインが気に入った財布を購入する事にした。

再度店頭に顔を出して、購入したい旨を伝えると、スタッフさんは嬉しそうに「お決まりになったんですね」と請け負ってくれた。それから手入れの方法、保証書、品質証明書など、各書類を一つひとつ説明つきで渡してくださった。

僕は生まれて初めて高級ブランドの商品を購入した。

これはとてもエキサイティングなことで、店を出てから小躍りの一つでもしたくなるような、ステップの一つでも踏みたくなるような、鼻歌の一つでも歌いだしたくなるような、そんな気分だった。

帰宅して梱包を解いて今一度じっくりと眺めると、革の艶が高級感を醸し出して、スタイリッシュなフォルムがいかにも「大人の男性」という雰囲気を演出し、できる男が持つに相応しい存在感だった。

この財布を持つのに恥ずかしくない大人になろう、僕はそう小さく決意して自分が今まで使っていた財布の中身をそちらに移し変えた。その時、カードの精査をおこない、現状で不要なものは移さずに古い財布の中にしまっておくことにした。

かくして、新しいブランドものの高級財布が手に入ったわけだ。

翌日、会社で、早速上司に目ざとく見つけられて「おお、それか!」と声をかけられた。

「はい、そうなんです」と答えると上司はしげしげと財布を見て「良いもの買ったな~」と笑ってくれた。

「大事にしないとですね」と返すと、うんうんと頷いて、自分の部下が成長したと喜んでいた。

やがて僕が高級ブランドの財布を持っているという噂は会社内で広がり、他の社員たちから一目置かれるようになってきた。

それも決して「あんなもの持っちゃって」などという誹謗中傷のようなものではなく「憧れる」と後輩が言ってたよ、と同僚から聞き、僕は心底嬉しかった。

自分が認められたような気がして、自分がきちんと大人の男性への階段を一段一段上れているんだという気がして。

この財布をずっと大切に使い、やがて年季が出てきたら、それはそれで「よく似合っている」と言ってもらえるように、良い歳の取り方ができたらな、とそんな事を思った。

スポンサーリンク


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です