結婚・婚活

彼女にプロポーズ Marry Me!結婚してください!


パソコンを開いて「ぷ」とだけ入力しようものなら、予測変換で「プロポーズ」とか「プロポーズ 方法」「プロポーズ エピソード」「プロポーズ レストラン」「プロポーズ 時期」などが勝手に表示されるようになってしまった。

僕は今悩んでいる。

悩んでいる、というか、困っている。

プロポーズについて。

彼女と4年間付き合った。
長い方だと思う。

交際は順調で、そろそろ互いに結婚を意識しているような、そんな気がしていた。

少なくとも、僕はそうだった。
それに、彼女も、そうであってほしいと願っていたし、彼女の何気ない言動から察するに、おそらくそう思ってくれていると期待していた。

周囲からも、もう時間の問題だね、と言われている。

しかし、時間の問題と言われても、その時間は何も解決してはくれない。
自分達できちんと意思確認を交わして、結婚して、夫婦になって、家庭を築こうと、そんな風に動かなければ、このままずっとカップルでい続ける事になってしまう。

僕はちょっと悩んでから、パソコンの検索枠に「長年付き合ったカップル プロポーズ」と打ち込んだ。

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すると、プロポーズというよりも「長年付き合ったカップルが別れを決める時」などという物騒な記事が出てきて、僕は「縁起でもない」と憤慨しながら、きちんとプロポーズについて書かれている記事を読んでみた。

長年付き合った相手にはさらっとプロポーズする人が多いというものを読んで、やっぱりそうなるか、と納得しなくもないけれど、でもやっぱり女性からしたらプロポーズは印象に残るようなものにしてほしいと思っているんじゃないかな、と思ってしまった。

彼女とは、もう既に熟年夫婦のような間柄で、イチャイチャすることも少なくなったし、良い意味で空気のような、生きていくのに無くてはならないけれど、特別意識もしないような、そんな存在だった。

だから、今更キザな台詞を面と向かって言うのはとても恥ずかしかったし、照れてしまうに違いなかった。
かといって、さらっと結婚の約束を取り付けるというのも、それでいいのか自分、と思ってしまう。

ネットサーフィンを続けていると、ヒントになりそうな記事に辿りついた。

どんなプロポーズが最適か、彼女のタイプによって考えてみる、というものだった。

彼女の趣味嗜好から、ロマンチックなものが良いのか、心のこもったものが良いのか、はたまたさらっとが良いのか、分析してある。

僕の彼女は、性格としてはかなりサバサバしている。
女性が好みそうなフワフワ、キラキラ、ヒラヒラしたものには全く興味を示さない。

仕事はパンツスタイルで、かといってバリバリのキャリアウーマンという雰囲気もなく「頼れるお姉さん」といった印象で出社しており、オフの時はほとんどジーンズという、ボーイッシュな服を好んだ。

滅多にスカートを履かず、珍しくお洒落してスカートとハイヒールなんて履こうものなら日がな1日「足が痛い」とぶつくさ言う。

好きな服はと聞けば「パーカー」と即答し、靴もメンズのスニーカーばかりだった。化粧も薄い。

僕と同じ趣味をもっていたが、それはゲームだった。

僕たちは休日によくテレビゲームに興じていた。つい白熱して何時間も対戦することもしばしばだった。

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そんな、女の子女の子していないところが好きで、一緒にいてとても居心地が良くて、生涯の伴侶にするなら彼女が良いなと思うようになっていた。

と、いう事は、だ。
彼女はきっとロマンチックでコテコテな雰囲気のプロポーズは嫌がるに違いない。

僕はそう予想した。

高級レストランや百万ドルの夜景、ベルベットの化粧箱に入ったダイヤモンドの婚約指輪は、なんだか僕たちには似合わないような気がした。

彼女は、おそらくもっと素朴で温かいアットホームな雰囲気の中で、きちんと想いを伝えられるプロポーズの方が良いだろう。

そこまで考えて、場所は自宅が良いか、それともどこか別の場所が良いか、また悩んだ。

思い出の場所は無い事もない。

初めてのデートで訪れた遊園地が良いか、いや、しかし遊園地でプロポーズというのは、どうなんだろうか。いつ、どのタイミングか図るのが難しそうだ。それに突然「あの遊園地に行こう」なんて誘ったらばれるに決まっている。

他にあるとすれば、よく足を運んだ公園もあるが、別にお洒落でもなんでもない公園で、人の出入りも激しいので、あまり向かないだろう。

ちょっと高級なレストランやカフェにはあまりお世話にならなかったから、そもそも候補がなかった。

となると、やはり自宅が良いのだろうか。
でも自宅でプロポーズというのは、なんだか少し味気ないような気がした。

こうなってくると堂々巡りで、埒があかなくなってきた僕は、思い切って知人に相談してみることにした。

知人は既に結婚していて、奥さんにプロポーズはどんな風にしたのか聞いてみたら「サプライズは苦手だから、何かの記念日の時にちょっと良いレストランで食事した時に、改まって『結婚してください』って伝えた」と返ってきた。

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「それだけ?」

「そう、それだけ」

「指輪は?」

「好みもサイズも分からなかったし、手配しようと思っても遅すぎたから諦めた」

「指輪なくても奥さん大丈夫だった?」

「うちは、そういうの気にするタイプじゃないから」

なるほど、やはり相手の性格を熟知しておくのは大切なポイントだな、と改めて思った。

「でもやっぱり指輪が添えられてたら嬉しいって思うんじゃないかな」

知人は、しかし、こうも言った。
「女性ってさ、見た目がサバサバしてる人の方が案外ロマンチストだったりするんだぜ。お前んとこの彼女、わりとそういうタイプじゃん?でも実は乙女だったりするから、本質をちゃんと見極められないと大失敗するかもしれないよ」

ニヤリと笑う知人の言葉に、僕はヒヤリとした。

そんな事、みじんも考えなかった。
まさか彼女がロマンチスト?乙女?全くそんな気配は無いのだが、無理して僕の前では自分のそういった面を出していないというのだろうか。

そんな風に不安になりながらも「いや、彼女に限ってそんなことは・・・」と形だけ反論してみる。

すかさず知人も応戦する。
「いや、分かんないよ。彼女と仲の良い女友達って、お前仲良くないの?もし共通の仲良い女友達がいれば聞いてみるといいさ。女心は女が一番よく分かってるから」

共通の、仲の良いとまではいかないが、知人はいたので、聞いてみようかな、と思った。

確かに男性には見せない面があるというのは、僕だって否定はしない。たとえそれが長年連れ添った彼氏でも、いや、だからこそ見せられない一面があるのかもしれない。

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「え、柚香が乙女かって?」

彼女の親友であり、僕も付き合いがある女性は素っ頓狂な声を上げた。

「あんまり柚香の乙女っぽいところは見たことないけど…。でも、意外と女の子っぽいところはあるよ」

そして、その後、まだ僕たちが付き合いはじめたばかりの頃、ずっと僕の話ばかりしていて本当に可愛かったというエピソードを聞かせてくれた。

そういうことが聞きたかったわけではなかったのだが、思わぬ昔話を聞いて僕は赤面してしまった。彼女がどんなに一途だったかというのが今更分かり、途端にものすごく愛おしくなってきた。

すぐに飛んで帰って開口一番「結婚してくれ!」と叫びたい衝動にかられ、そわそわする。

しかし今はそのタイミングではない、と思い直して、話を聞いた女性に「そういうことじゃなくて、プロポーズのシチュエーションをどうしようかと思って。ロマンチックな感じは俺たちらしくないような気がしてたんだけど、この前福田が女性は案外オトメだって言うから」と伝えた。

「なぁんだ、そういう事ね」
そう笑いながらも、知人は楽しそうに、しかし真剣にプロポーズ作戦を一緒に考えてくれた。

相談の結果、やはり超ロマンチックな雰囲気や高級感漂うレストランやホテルでのプロポーズは、きっと彼女自身が「柄じゃない」と笑いそうだということになり、温かい気持ちになれるような、きちんと言葉で僕の想いを伝えられるような、そんなプロポーズにしたら良いんじゃないか、という話でまとまった。

ここで場所に関して僕が行き詰っていると伝えると、いくらなんでも自宅じゃ味気ないから、何かちょっとした日常の中でのサプライズみたいにできると良いよね、という話になった。

「2人ともゲーマーなんだから、ゲームの中でプロポーズとかできないの?」

そんなアホな、と思って鼻で笑ったが、何気なく調べてみたら、自作のプロポーズ用ゲームを作ってプロポーズした人の話題がヒットして、僕は目を丸くした。

オリジナルのゲームを制作するほどのポテンシャルは持っていなかったが、ゲームは確かに良いアイテムになるかもしれないな、と思った。

時々「勝ったらごほうび」とか「負けたらバツゲーム」という条件で対戦することがあるから、それを生かすのも手かもしれない。

そう思いたつと、なんだか急に面白くなってきて、上手い方法が思いつきそうな気がしてきた。

僕はそれから作戦を練った。

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決行の日は、彼女に委ねることにした。
そう、自分では決めず、彼女がそのスイッチを入れるように計画した。
その方がサプライズらしくて楽しいだろう。

場所は、結局色々思案した結果、自宅にした。
シチュエーションはゲーム中。

きっかけは僕が作っても良いかな、と思い、日常の中で探っていたら、良いチャンスが巡ってきた。

ちょっとしたことで軽いケンカが勃発したのだ。

その内容は食器洗いをどちらがするか、というか、僕が最近食器洗いを積極的にしないことに彼女が腹を立てたのだ。
それはそうだ、意識的にさぼっていたのだから。

こういう時はゲーム対戦で勝敗を決めるという暗黙のルールがあったので、腹を立てた彼女が「こうなったらゲームで勝負じゃ!負けたら1ヶ月ずっと皿洗い!」と言いだした。

「受けてたつ!」

そして対戦ゲームが始まった。

僕は、長年培ってきた技術をフル活用し、わざと自然に負けるように仕向けた。

結果はもちろん僕の負け。

「ぬっはっはっは」
と高笑いする彼女を前に、わざと悔しそうに「ぐぬぅ・・・悔しいが、しかし負けは負け。勝ったお主にはこれを授けよう」と言い、ポケットの中に手を突っ込んだ。

「何だか分からないけど、物で釣ってもだめだよ。約束は約束、1ヶ月は皿洗い、してもらうからね!」
彼女は高笑いだ。

そんな彼女に、ポケットから取り出したものを差し出す。

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「皿洗いはもちろんする。ずっとする。1ヶ月と言わず、何年、何十年も、これからずっとするよ」

そう言いながらしっかりと彼女の目を見て、
「今日のところは、皿洗いと、これで勘弁してくれないか。今度、2人でちゃんとした指輪、選びに行こう。結婚してください」と伝えた。

差し出したのは、おもちゃの指輪だった。

2人でよく遊んだロールプレイングゲームのアイテムのひとつとして登場していたものが玩具屋で売られていたので、買っておいたのだ。

これなら、安価だし、サイズが分からなくても、プロポーズの思い出の品としてもらってもらえるだろう、そう考えた。
そしてゲームで対戦できるチャンスを今か今かと待ち、彼女が持ちかけてきたときに、対戦前にトイレに行くと見せかけてポケットに忍ばせておいたのだ。

おもちゃの指輪を見て、2人で遊んだゲームを思い出せるのは彼女しかいないし、ゲームが大好きな僕らしいプロポーズになったのではないだろうか。

一瞬きょとんとした顔になった彼女にひるまないよう、僕はその後、勢いに任せてさらに続けた。

「柚香は僕にとって、水や空気みたいな存在なんだ。そう言われるとムッとする人もいるかもしれないけど、水や空気がなければ生きていけない。
僕にとって柚香は生きていくのに絶対必要な存在なんだ。
そばにいてくれるのが当たり前すぎて、愛してるとか、好きとか、あんまり沢山言えなくなっていたけれど、今までも、これからも、ずっと愛してる。
結婚して、夫婦になってください」

これだけ一気に喋って頭を下げた。

彼女に笑われるかもしれないな、などとぼんやり思ったが、軽く鼻をすする音がして顔をあげると、驚いたことに彼女は泣いていた。

動揺する僕に彼女はひとこと「ありがとう」と呟いて、涙をながしながらニッコリ笑って「超嬉しい」と言った。

僕はたまらずに彼女ことをギュッと強く抱きしめた。

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