恋愛小説

恋に不器用な私~短編恋愛小説


“何でだよ!ずっと一緒にいるって、離れないって言ったじゃないか!”

“お前を女として見れない、別れよう”

何で、私が好きだから付き合ったんじゃないのか?

私は男が苦手になった。同じクラスに元彼がいる。息が詰まる。


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(白木夏海)「爽美、足閉じて、パンツ見えちゃう」

(栗田爽美)「大丈夫、誰も私のパンツなんて興味ねーよ」

私、栗田爽美。男口調で、メイクも薄い。誰も私を女の子扱いなんてしない。

(白木夏美)「そんなこと言わないの、爽美は素敵な女の子よ」

(栗田爽美)「そう言ってくれるの夏海くらいだよ」

白木夏海、おっとりしてて、可愛くて、男子からモテている。ただ、女子からひがまれることもあって、前にいじめに近いことをされてるところを目撃してその女子たちを蹴り飛ばしたのがきっかけで夏海は私と一緒にいるようになった。

いつものように夏海と話をしていたら女子に話しかけられた。

(クラスメート女子1)「ねぇ2人ってレズって本当?」

(クラスメート女子2)「違うって、白木さんがレズなんだよ。友達が告られたんだって、昔。」

(クラスメート女子1)「そうなの?やだー、栗田さん襲われる前に離れた方がいいよ」

キャハハと笑いあう2人。くだらない。

(栗田爽美)「夏海、下向くな、堂々としてろ。おい、お前等の方がよほど下品だと思うけど?私は夏海の性格が好きなわけ、だからくだらない話するな。」

気がつけば教室中静まりかえっていた。ふと夏海を見る、手が震える…そっと手を重ねた。そしたら瞳が私を映す。そして微笑んだ。やっぱり、夏海は綺麗だ。

(クラスメート2)「何それ!私達は栗田さんを思って言ってあげてるのに!」

(栗田爽美)「大きなお世話だ、誰と一緒にいようと私の勝手だ」

(クラスメート1)「むかつく!調子にのんないでよ!」

痛っ、髪をわしづかみされた。

(白木夏海)「爽美!」

(栗田爽美)「夏海、私は大丈夫」

真っ直ぐ夏海を見てそう言った。

(登呂木隆牙)「汚い手でこいつに触るな」

(クラスメート女子1)「登呂木くん…」

(栗田爽美)「登呂木、口出すな、お前には関係ない」

登呂木隆牙。いろんな怖い噂を聞く。1人で何人も病院送りにしただとか喧嘩は負けたことはないだとか。赤髪に金髪のメッシュ。近寄りがたいのに、やたら顔が整ってるから密かにモテている。

(登呂木隆牙)「もう直ぐ俺の女になる。だから関係ある。傷でも付いたらこまる。」

教室が一気にざわつき始める。

(栗田爽美)「私は誰の物にもならない!夏海がそばにいるだけで十分だ!お前ら、じろじろ見るな!」

こういうとき、私は冷静でいられなくなる

(本山理生)「爽美、落ち着いて大丈夫だから」

そう言って頭を優しく撫でられる。

男は嫌いだけど、本山は別だ。自然体でいられる。グレーの髪に青いコンタクト。見た目は近づきがたいけど、中身は優しい。このままの私を否定しないでくれる。

(山本理生)「爽美、白木さんがおろおろしてる」

あ…夏海が鳴きそうな顔をしていた。

(栗田爽美)「夏海、ごめん…大声だして」

(白木夏海)「ううん、爽美は何もわるくないよ」

そう言って笑う彼女の手は震えていた。夏海は本当に綺麗で可愛い。だから、ひがまれることも少なくない。怖い思いもしてきただろう。私が守る。私がしっかりしないといけないんだ。

(栗田爽美)「私が夏海を守らないといけない。不安にさせてごめんな」

夏海は涙を浮かべ小さく横に首を振った。

(登呂木隆牙)「そんなお前を守りたい」

突然話に入ってきた登呂木。

(本山理生)「隆牙って空気読めないよね」

意外とストレートな言葉を放つ山本。

(栗田爽美)「ところで、いつまでここにいるつもりなわけ?」

女子に聞く。

(クラスメート女子1)「もういい!せっかく栗田さんのために教えてあげたのに!」

(栗田爽美)「余計なお世話だ」

(クラスメート女子2)「何かあってもしらないから!」

そう言って席に戻っていった。

(白木夏海)「爽美、私…」

(栗田爽美)「夏海、言わなくていい、無理して言わなくていい。それより今日放課後、どこか行かないか?」

夏海は少し戸惑った後、笑顔で

(白木夏海)「うん!行こう!楽しみ」

(栗田爽美)「おう!じゃぁ決まりな」

(登呂木隆牙)「俺、放課後、用事無い」

(本山理生)「隆牙、素直に行きたいって言えないの?ついでに俺も用事無いよ、皆でカラオケでもどう?」

(白木夏海)「そうだね!人数多い方が盛り上がるよね」

(栗田爽美)「はぁ、じゃぁカラオケ代はお前らもちな」

(本山理生)「あはは、爽美はちゃっかりしてるね」

(登呂木隆牙)「お前のためならいくらでも出す」

(白木夏海)「爽美、モテモテだね、ふふ」

面白そうに笑う夏海。

(栗田爽美)「好みじゃない」

そう言って笑った。

(本山理生)「…爽美、その笑い方可愛い!もう一回笑って!」

可愛い?私が?お世辞なんていらない。

(栗田爽美)「そう簡単に何度も笑えない」

放課後

(栗田爽美)「夏海ー、カラオケいつものところでいいか?」

(白木夏海)「うん!」

(登呂木隆牙)「爽美の歌声早く聞きたい」

(本山理生)「隆牙、気持ち悪いよ」

ため息をつく本山。

本山に同意。

(白木夏海)「ふふ、爽美は人を引きつける何かがあるよね」

(栗田爽美)「そうか?」

(白木夏海)「うん!」

(栗田爽美)「私は夏海の方が魅力的だと思うけどな」

(白木夏海)「え…」

顔を赤く染める夏海。わしゃわしゃと彼女の髪をなでた。


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カラオケ屋

今日は運がいい、広い部屋に案内された。2対2で向き合って歌った。

登呂木と本山、私と夏海。

私が歌うとなぜか3人とも私に視線を向ける。歌いづらいんだけど…

はぁ、なんか疲れた。そっと部屋を出てドリンクを取りにドリンクバーに向かった。

その時、後ろから声をかけられた。

(大友幸也)「爽美じゃん、男に興味なくなって女に走ってるってマジ?」

(栗田爽美)「…幸也には関係ないだろ」

大友幸也。私の元カレ。

(大友幸也)「お前マジで可愛げ無いな」

うるさい、うるさい、うるさい!お前に何がわかる!好きだった…一緒にいるだけで幸せを感じてた。でも、それは私だけだった。苦しくて辛くて涙が止まらなかった。女として見られない辛さがどれだけ辛かったか、分かるか!

(登呂木隆牙)「こいつは充分、可愛い。俺がいうんだから間違いない。」

(栗田爽美)「登呂木…」

(登呂木隆牙)「急にいなくなるな、心配した。」

(栗田爽美)「ごめん」

突然現れた登呂木は私を抱き寄せた。

(栗田爽美)「お、おい!寄るな!」

(登呂木隆牙)「大丈夫、俺はこいつより満足させれる自信あるし」

(大友幸也)「何言ってんの?爽美はつまんないやつだよ、女として見れないし」

ほら…私は幸せにはなれない。

(本山理生)「つまんないのは君の方じゃない?」

本山…

(本山理生)「2人ともなかなか戻って来ないから見に来たんだ、白木さんも一緒だよ」

(白木夏海)「爽美、戻ろう。大友くん女癖が悪いし、つまらない男だって話広がってるよ。人のこと言う前に自分のことちゃんと自覚しといたほうがいいよ。」

そう言って私の手を引いて部屋へ向かった。

(栗田爽美)「夏海、ありがとう」

(白木夏海)「爽美にはいつも助けてもらってるもの」そう言って微笑んだ。

嬉しい、私には夏海がいる。登呂木がいる。本山がいる。私1人じゃない。

(登呂木隆牙)「爽美、今すぐ抱きしめたいほど良い顔してる」

(本山理生)「うん、今回は俺も同意するよ、可愛い顔して泣いてる。やっぱり爽美は素敵な女の子だよ。」

そう言って親指でいつの間にか涙をこぼしていた私の頬を拭った。

(白木夏海)「爽美、引くかもしれないけど…私、爽美のこと好きなの友達以上に…」

不安げな表情。

(栗田爽美)「うん、知ってたよ、ありがとう。嬉しい。でも私にとって夏海は大切な親友なんだ」

(白木夏海)「うん、これからも友達でいてくれる?」

(栗田爽美)「当たり前だろ」

夏海は微笑んだ。

それからまたカラオケをして帰るとき、私は本山と一緒に帰ることになった。

(本山理生)「すっかり暗くなっちゃったね、寒くない?大丈夫?上着かそうか?」

日中はちょうどいいけど、流石にこの時間になると肌寒くなってきた。

(栗田爽美)「大丈夫だ、ありがとう」

(本山理生)「爽美は、本当真っ直ぐだよね、何事にも。」

(栗田爽美)「そうか?」

(本山理生)「うん、そう言うところも含めて好きなんだけどね」

(栗田爽美)「え…」

(本山理生)「やっぱり、気づいてなかったんだね、ずっと前から好きだったんだ。彼氏ができる前から。相手が大友くんだったから長くは続かないとは思ってはいたけどね、彼はいい噂聞かなかったからね」

そう言ってちょっと困ったように笑った。

(栗田爽美)「私は…もう誰かを好きになるのが怖いんだ。胸が苦しくて涙が止まらなくなる、もうあんな思いしたくない。」

(本山理生)「俺は大切な人には悲しい思いも辛い思いもさせない、努力をするよ、それだけ好きだよ…泣かないで」

(栗田爽美)「ご、ごめん、男子からこんなに優しい言葉いわれたこと無かったから…嬉しいもんだな」

親指でそっと涙を拭ってくれた仕草に胸が高鳴った。

(本山理生)「俺にとって爽美は誰よりも可愛いお姫様だよ」

(栗田爽美)「そんなわけないだろ」

(本山理生)「本当、爽美は自分のこと解ってないね、こんなに優しくて可愛いのに、でもそのほうが俺的には安心だけどね。俺だけを見てくれたらいいんだから」

そう言って目を細めて微笑んだ。

(栗田爽美)「私も本山といると落ち着く。不思議だな」

(本山理生)「嬉しいよ、あと、下の名前で呼んでくれるともっと嬉しいな」

(栗田爽美)「理生」

(本山理生)「うん、よくできました。」

そう言って私の頬にキスをした。

(本山理生)「これからは俺だけを見てね」


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