脱毛・ムダ毛処理なら家庭用脱毛器
「あなたよ!そこ!その端の!!」
先生の怒声に身体がすくむ。
私の事だ。
「何やってんの!!そんな縮こまって!自信が無いのがバレバレ。見るからに新参者ってかんじ。そんなんじゃ今度の本番、降りてもらうからね!」
「はいっ」
返事まで小声で弱々しくしてしまえば、それこそ恐ろしい事になると思い、私は精一杯声を張り上げて返事をした。
「もっと胸を開いて、肩から弾くっつってるでしょ!腕が下がってんのよ、腕が!!」
先生の指摘はもっともだ。
反論する余地はない。
ヴァイオリンは聴かせるだけでなく、見せる楽器だ。
演奏する姿が美しく、舞台に足を運ぶお客さんはその優雅な演奏を見に来ていると言っても過言ではないのだ。
だから、見せる、いや、魅せる演奏をしなければならない事は分かっている。
でも、私はどうしても隠れるように、なるべく目立たないように、動きをコンパクトにして演奏してしまうのだった。
ヴァイオリンがうまく弾けない理由
原因は分かっている。
脇を見られたくないのだ。
そんなこと、と笑われてしまうかもしれないが、これは私にとっては深刻な問題で、トラウマにもなっている。
中学生になる頃から脇毛が生え始めたものの、当時どうしたら良いのか分からなかった私は、恥ずかしさもあり、誰にも相談できずに我流で毛の処理をするしかなかった。
その結果が、ハサミでギリギリのところまでカットする、という方法だったのだ。
なぜカミソリで剃るという発想が出てこなかったのか、今となっては謎でしかないのだが、当時の私はその方法で、どうにかプールの授業を乗り切っていた。
かなりスレスレのところでカットしていたので、ハサミの刃が直接肌に触れるため、かぶれてしまう事もあったし、時には不注意で肌を傷つけてしまう事もあった。
高校生になり、ようやくカミソリで剃るという事を覚えたものの、まだその頃はムダ毛処理の他の方法を知らず「脱毛」という感覚も無かったため、ただハサミがカミソリに替わっただけで、脱毛クリームや肌を守るクリームすら塗らず、ダイレクトに毛を剃っていた。
そのため、脇は黒ずみ、毛穴が目立つようになってしまった。
しかし、ハサミで処理していた時代と比べると個人的にはかなりマシになったと思い込み自信を持っていた私は、堂々と水泳の授業に臨んだ。
その時、同級生に言われたひと言が、今でも耳奥にこびりついている。
「その脇…どうやって処理してんの?」
その時は何を言われたのかよく分からなかったが、どうやら酷い状態だった脇を見て、思わずビックリして声をかけてくれたらしい。恥ずかしくて顔から火が出そうだった。
同級生は私に色々アドバイスをしてくれるつもりだったのかもしれないが、私はとにかくその場から離れたくて、逃げるように去ってしまった。
その後、その同級生とはなんとなく気まずい関係になってしまった。
それ以来、私は自分の脇を人に見られる事に異常な恐怖を感じるようになってしまった。
そればかりではない。プールでの出来事をきっかけに、私は人よりもムダ毛が多く毛深いのでは、と思うようになり、人前で肌を見せる事が怖くなってしまったのだ。
私のムダ毛恐怖症
それから5年、小さい頃からヴァイオリンを習っていて音大へ進学した私は、思いもしなかった壁にぶつかった。
それが、ムダ毛恐怖症問題だったのだ。
コンサートへ行ったことがある人、もしくはテレビなどでコンサートの様子を見たことがある人なら分かると思うが、クラシックのコンサートでは女性は美しいドレスを着用する。
このドレスには特に決まったスタイルは無いが、一般的に肩がむき出しになったベアトップのドレス、もしくは袖の無いノースリーブのドレスが多く用いられる。
自分ひとりのコンサートならば脇を始めとする肌が見えないドレスを選ぶ事ができるが、何人かと一緒に舞台に出る際には、そうはいかない。
皆で相談してドレスを決めるのだが、まさか「肌を見せたくない」という理由でベアトップやノースリーブを拒否するわけにはいかず、皆が言うままに決まったドレスを着る事になる。
すると、ヴァイオリンを演奏すると脇が見えてしまうスタイルのドレスになる。
学内の選抜メンバーに選ばれて舞台に立つ事になったのだが、そこで着るドレスがベアトップで、私はどうしても脇を見せないように演奏してしまい、先生にものすごく怒られてしまったのだ。
脇だけではなく、背中のムダ毛も気になり、演奏にまったく身が入らない。こんな事では奏者として失格だと思うが、気になって仕方ないものはどうしようもない。
先生にこってりと絞られ、私は練習後に盛大な溜息をついた。
「どうしたの?今日調子悪かったじゃん。いつもバッチリなのに」
同じ選抜メンバーの同級生が声をかけてきた。
「う…う~ん…」
まさか、ムダ毛が気になって、と言うわけにもいかず、私は言葉に詰まった。
「もしかして、衣装、合わなかった?今日初めて衣装つけてのリハーサルだったもんね。衣装が気になって集中できないなら調整した方が良いよ」
「いや、問題なのは衣装じゃないんだよね」
思わずそう言ってしまった私に、同級生は心配そうに聞いてきた。
「え、じゃあ身体故障したとか?大丈夫?」
「いや…そうでもなくて、心配いらないんだけど…」
「心配だよ!こんなこと、今まで無かったじゃん」
彼女の真剣な眼差しに負けて、私はムダ毛が気になって仕方ないこと、ムダ毛処理の仕方が分からず悩んでいることを話した。
すると彼女は、自分もムダ毛は気になるからきちんと脱毛処理していると言った。
「ムダ毛処理しない女はモテないしね」
冗談のつもりだろうが、彼氏ができた事がない私には、その言葉は私にグサリと刺さった。
やはり、きちんとムダ毛処理しなければダメなんだ、と思い、私は脱毛サロンへ行ってみる事にした。
脱毛サロンへ
緊張してドギマギしてしまったが、スタッフさんは親切に対応してくれて、施術もあっという間に終わった。多少痛い感じはしたが、耐えられないほどではないし、効き目が実感できて良かった。
たった1回の施術だったが、効果を実感できて、少しムダ毛が気にならなくなった。
しかし脱毛は継続する事が大切という説明を受けて入会を勧められた時点で、迷いが生じた。確かに効果は感じられたし、スタッフさんも親身に話を聞いてくれて安心して身を委ねられたし、とても良い感じだったのだが、2つ気になる事があった。
1つめは、やはり値段だ。学生にとっては決して安くない金額で、ヴァイオリンの練習で忙しくアルバイトもできない私にとって、親にその費用を頼るのには二の足を踏んでしまった。
もう1つは、通う時間が取れるかどうか不安だったという点だ。授業やレッスン、コンサートの練習やリハーサルが不規則的に入るスケジュールだったため、予約を前もって取る事が難しく、理想的な時期に施術を受ける事が難しいかもしれないと思ったのだ。
この2点の不安要素のため、時間面でも金銭面でも今は脱毛サロンに通う事は難しいという結論に至った。
しかし、あの同級生は、私と同じようなスケジュールの中、脱毛サロンに通っているというのだろうか。そう疑問に思った私は、彼女に聞いてみる事にした。
救ってくれた家庭用脱毛器
「サロンには行ってないよ」
彼女はあっさりとそう答えた。
「私は家庭用脱毛器で自宅でムダ毛処理してるの」
「家庭用脱毛器?」
「そう。自宅で自分でムダ毛処理できるの。いつでも気軽にできるからおすすめだよ」
家庭用脱毛器があるという事すら知らなかった私は、彼女に色々聞いてみた。
いくらぐらいで買えるのか、安全なのか、使い方は簡単なのか、効果はあるのか、など、質問攻めにしてしまった。
彼女はひとつひとつ丁寧に答えてくれた。
家庭用脱毛器には、光脱毛タイプの脱毛器とレーザー脱毛タイプの脱毛器がある事、皮膚科医で施術されているものと同じ「IPL方式」というものを採用しているものがある事、自宅で脱毛するやり方、値段、頻度など、細かく説明してくれた。
彼女から教えてもらった情報を頭に叩き込み、私は早速インターネットで家庭用脱毛器を探してみた。
確かに光脱毛タイプ、レーザー脱毛タイプの2種類があり、それぞれの特徴が説明されていた。最初はやはり不安の方が大きいので、医療用としても使われているような安全性の高いものを選びたいなと思いながら調べていくと「永久脱毛」という言葉が目に付いた。
効果を実感できるレーザー家庭用脱毛器。トリアで憧れのツルすべ肌を。
永久脱毛って事は、ムダ毛処理する必要が無くなるってこと!?
そう思い、期待に胸を膨らませて更に調べてみると、毛根そのものにダメージを与えられる施術は医療脱毛でしかできず、脱毛サロンや家庭用脱毛器だと「毛が生えにくくなる」「毛が生えるスピードが遅くなる」「毛が目立たなくなる」という効果は望めるものの、永久には脱毛できないという事が分かった。
だからこそ、継続がポイントになるというのだ。
継続していくなら、やはりサロンへ通うよりも、自宅で使えた方が便利かな、と思い、私はとにかく家庭用脱毛器を購入して使ってみる事にした。
調べた事や、同級生からのアドバイスなどを参考に、人気の家庭用脱毛器を購入した。
自宅に届いて開けてみると、ドライヤーくらいの大きさの脱毛器が入っていた。
説明書に書かれている説明書を読みながら早速使ってみた。痛みがあるかどうか不安で、最初はおそるおそるだったが、多少の刺激は感じても「痛い」というほどではなく、ホッとした。
とにかく脇のムダ毛をどうにかしたかったので、脇を中心に脱毛を実行した。
自宅だから、当たり前だが誰かに見られる事もない。正直言うと、脱毛サロンのスタッフさんに見られるのも少し恥ずかしかった私にとっては、自宅で堂々と脱毛できるのはありがたかった。
効果は、1回だけではあまり実感できなかったが、1週間ほど続けると明らかに毛が薄くなってきた。しかも、カミソリで毛の処理をしていた時と比べると、明らかに肌の状態が良い。
美肌効果もある脱毛器を選んだからというのもあるかもしれないが、自分が今までいかに間違った方法で毛の処理をしてきたかという事を痛感した。
ムダ毛が気にならなくなってきた私は、ベアトップドレスを着てヴァイオリンを弾く時も、いつもと変わらず堂々と演奏できるようになった。
まだ少し気になると言えば気になる状態だったのだが、客席から見られても目立たないぐらいにはなっただろうと思えたため、脇を見られる事に抵抗が無くなったのだ。
先生も私の弾き方について注意をする事は無くなり、私も委縮する事なく楽しんで演奏できるようになった。
ドレスを着る時に目立つ背中も、家庭用脱毛器を使って自宅でケアするようになり、スベスベとした美しい背中になった。これでドレスを着る事が怖くなくなった。
家庭用脱毛器は、同級生が言う通り、いつでも気軽にできるのが良い。
自宅でムダ毛処理できるので、家に帰ってくつろいでいる時に気軽にできる。テレビを見ながら、好きな音楽を聴きながら、時には自分の演奏録音を聴いたり録画した動画を見たりして研究しながら、ムダ毛処理ができる。
脱毛サロンの空きを気にすることもなくスケジュールが定まらなくても、自分のペースで続けられるし、何よりも購入費用だけ支払えば、その後使うたびにお金を払わなくて済むのがありがたい。
1週間ほどで効果を実感できたが、3週間もすると更に効果を感じられた。
脇や背中はほとんど気にならないくらい綺麗になり、しかも肌が荒れる事もなく逆に肌の調子が良くなった。
そこで私は同級生が言っていた「ムダ毛処理しない女はモテない」という言葉を思い出した。
舞台上でヴァイオリンを演奏するだけならば、ドレスで隠れる脚などのムダ毛処理など必要ない。しかし普段の生活で脚が見えるようなスカートを履いた時の脚のムダ毛や、至近距離で異性を接する時の顔のムダ毛など、処理しておくに越したことはないと考えた。
それによって自分にますます自信が持てるようになるならば、やってみる価値はあると思ったのだ。
それから私は自宅でのムダ毛処理を、脇や背中に限定せず、脚、顔、腕など、全身におこなうようになった。
脱毛器の性能は確かなもので、部位を変えてももちろんその効果はいかんなく発揮された。
顔に使っても特に肌荒れを起こすこともなく、気になっていた口周りのムダ毛がスッキリと無くなった。
あと、Vラインも。
これで水着なども恥ずかしがらずに着られるようになるな、と思い嬉しくなった。
日々の自宅での脱毛のおかげで、自分に自信を持てるようになり、舞台上だけでなく、日常的に堂々と振舞えるようになった。明るくなり、よく笑うようになった。
この変化は私にとってとても大きな事で、自分の演奏にも前向きになれたのだ。
先生に怒られて縮こまってしまったリハーサルから数ヵ月後、コンサートの本番があったのだが、堂々と楽しんで演奏できた。
同級生に家庭用脱毛器を勧めてくれたお礼を言うと、ニッコリ笑って「良かったね」と言ってくれた。コンサートの成功を祝ってハイタッチした事は、今でもよく覚えている。