恋愛小説

不器用な俺の恋愛~短編恋愛小説


香水臭い…

(女子1)「龍牙ー、帰りカラオケ行こう?」

(女子2)「えー、今日私と約束してたじゃん!」

甘ったるいしゃべり方。

(管枝龍牙)「じゃぁ、皆でカラオケ行こっか!そのあと二人っきりで!どう?」

(女子1)「えー」

(女子2)「もうー仕方ないなぁ。龍牙くん、今度はちゃんと二人っきりね?」

(管枝龍牙)「じゃぁ、またあとでね!」

隣で歩いてた俺はため息をはいた。

(影崎結斗)「俺の前でイチャつくなって言ってるだろ」

(管枝龍牙)「何で?ふわふわしてて可愛いじゃん」

(影崎結斗)「うるさくて、香水臭いだけだろ」

(管枝龍牙)「分かってないなぁ、結斗は」

管枝龍牙。一応、俺のダチ。女子が大好きで可愛いものならなんでも好き。彼氏持ちでも構わない。赤髪で、笑うと爽やかな笑顔。

俺は影崎結斗。甘ったるい香水の匂いが嫌い。甘ったるいしゃべり方が嫌い。

ここ、定時制高校は校則ゆるいおかげで身なり自由。俺は金髪に黒髪のメッシュ。

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(上田舜)「あ」

廊下で偶然会ったのはB組の

(管枝龍牙)「舜じゃん!おはよー」

そう。上田舜。俺と龍牙はA組。

そして…

(山本萌夏)「龍牙くん、結斗くん、おはよ」

舜のとなりにいるのが舜の彼女の山本萌夏。ショートボブの茶髪で、でか目のおっとりな女子。

龍牙は舜の女だけは手を出さない。というか友人の女には手を出さない。だから龍牙とはダチでいられるのかもしれない。

上田舜はクールで一途。黒髪に切れ長の瞳、他の女子には冷たいが、彼女と…

(山本萌夏)「あ、美紗!おはよ」

供咲さん…

(供咲美紗)「萌夏おはよ、舜くんもおはよ」

(上田舜)「おはよ美紗」

同じクラスの供咲美紗には優しい。彼女の友人だからだと思うけど。

供咲さんは黒髪のストレートのロングヘアー。性格はさばさばしている。普段は一人で行動しているところをよく見かける。

(管枝龍牙)「美紗ちゃん!おはよ!」

供咲さんの肩に腕を回した龍牙の手をぺちっと叩いた彼女。

(供咲美紗)「気安く触らないで汚れるわ」

(管枝龍牙)「酷いなぁー」

龍牙をこういう扱いするのは供咲さんくらいだ。

(影崎結斗)「俺、先教室行ってる」

(供咲美紗)「私も。萌夏またね」

は?

(山本萌夏)「あ、うん!」

…なんで供咲さんと並んで歩いてるんだろう。

(供咲美紗)「影崎くん、本当にモテるわよね、女子たちに私、睨まれてるわ」

俺が?

(影崎結斗)「龍牙じゃなくて?」

(供咲美紗)「…自覚ないの?告白とかされない?」

告白?…

(影崎結斗)「されない、付き合ってるやついるのかとかはよく聞かれるけど」

(供咲美紗)「…なるほどね、アイドル的存在ってことね。だれも抜けがけ禁止的な」

(影崎結斗)「意味が分からないんだけど」

(供咲美紗)「影崎くんはそのままでいいんじゃない?」

そう言って微笑んだ彼女は誰よりも綺麗で誰よりも可愛いと思った。

胸の奥が苦しくて歯がゆくて、俺の知ってる女子とは違った。何これ…。ただ笑いかけられただけだろ。

(供咲美紗)「どうかした?」

(影崎結斗)「いや…なんでもないよ」

それから、俺は目で彼女を追うようになった。普段、ほとんど笑わない。供咲さんは山本さんと一緒にいるとき優しい顔をする。

そんなある日、

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(クラスメート男子)「供咲さん!俺と付き合ってください!」

(供咲美紗)「ごめんなさい」

屋上。二人は気づいていない。俺もいるんだけど…。しかくになって見えていない様子。

(クラスメート男子)「付き合ってる人いるの?」

(供咲美紗)「いない…でも好きな人いるの」

(クラスメート男子)「だれ?!同じ学校?!付き合ってないないなら試しに俺と付き合ってみてよ。優しくするよ」

好きなやついるんだ…

(供咲美紗)「興味ない人と付き合う気ないから」

(クラスメート男子)「なんだよ!その言い方!」

(供咲美紗)「痛っ、手痛い放して、手首痛い」

(クラスメート男子)「放さない、俺と付き合って!」

(影崎結斗)「供咲さん嫌がってる。その汚い手、放しなよ」

彼女に触れる手、見てるだけで吐き気がする。

(供咲美紗)「影崎くん…」

(クラスメート男子)「!何でここに?!関係ないやつは黙ってろよ!」

嫌なんだよ、誰かに、誰かのものになるなんて。

(供咲美紗)「関係あるわ、好きな人影崎くんだもの」

え…。ああ、そうか、その場しのぎの嘘か。

(影崎結斗)「俺も。だから邪魔者はどっか行ってくんない?」

(クラスメート男子)「もういい!」

そう言って背を向けて走り去って行った。なるべく優しく手を握った。指の痕はついてない。

(影崎結斗)「ここ、痛くない?ここは?」

(供咲美紗)「…影崎くん、私のこと好きなの?」

その言葉に顔をあげた俺は驚いた。今まで見たことない、照れた顔を赤くした供咲さんがいた。胸が苦しい。思わず抱きしめた。

(影崎結斗)「俺、供咲さんのこと好きだよ」

すると背中に手を回して

(供咲美紗)「…私も」

と言った。初めて…初めてこの日彼女ができた。

翌日、学校登校

B組をふと覗いたら供咲さんと山本さんがいた。俺はB組に足を踏み入れた。

(影崎結斗)「供咲さん」

(供咲美紗)「あ、結斗おはよ」

下の名前で呼ばれた… 。自然の流れで。…嬉しい。

(山本萌夏)「美紗から話聞いたよ、おめでとう!」

そう言って微笑んだ

(上田舜)「おめでとう」

後ろから声がして振り返る。

(影崎結斗)「舜まで知ってるのか…」

(供咲美紗)「ごめん、私が話した。駄目だった?」

不安げな表情。そんな顔ずるい。許すに決まってる。

(影崎結斗)「俺たちのこと供咲さんの好きにしていいよ」

そう言って目を細めた。

(山本萌夏)「可愛い笑顔…」

(上田舜)「浮気者」

(山本萌夏)「ち、違うよ、私には舜だけだよ!」

(上田舜)「はは、知ってる」

そう言って山本さんの頭を撫でた。

(供咲美紗)「教室行こう」

(影崎結斗)「ああ」

(供咲美紗)「放課後一緒に帰れる?」

(影崎結斗)「帰れるよ」

なびく黒い艶のある髪。

(供咲美紗)「どうしたの?」

(影崎結斗)「あ、いや綺麗だなと思って」

気がついたら彼女に触れていた。

(供咲美紗)「…ありがとう」

伏し目がちに口にした言葉と表情がたまらなく可愛かった。

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休憩時間

(クラスメート女子)「影崎くーん!1年の女子が呼んでるよー」

呼び出し?廊下に出ようとした時、

(供咲美紗)「…行かないで」

裾をそっとつまんで真っ直ぐ俺を見つめる供咲さん。

(影崎結斗)「すぐ戻ってくるよ」

そう言って優しく頭を撫でた。

(供咲美紗)「…わかった。待ってる」

俺は廊下に出た。待ってたのは、茶髪に巻き髪の派手な女子だった。

(坂元美里)「私、1年の坂元美里って言いますー。前から影崎先輩のこといいなって思ってましたー。付き合ってくれませんか?」

首を傾けて上目使いで俺を見る1年。

(影崎結斗)「悪いけど彼女いるから」

(坂元美里)「うそ?!いないって聞いてたのに!」

(影崎結斗)「昨日から出来た。だからごめん」

(坂元美里)「ふーん、私、一度欲しいと思ったもの諦められない性格なんですよねー。だからまた来まーす」

何だったんだ…。

その時俺は深く考えていなかった。

(供咲美紗)「結斗…」

(影崎結斗)「供咲さん大丈夫だよ」

そう言っても彼女は不安げな表情をしていた。

放課後

(影崎結斗)「供咲さん帰ろう」

(供咲美紗)「うん」

微笑む姿に胸が高鳴る。好きだ。そっと手をさしのべた。その意味が伝わったのか彼女は顔を赤くしてゆっくり手を握った。周りが騒がしいけど関係ない。

(坂元美里)「先輩ー!」

(影崎結斗)「さっきの」

(坂元美里)「美里です!その人ですかー?彼女」

(影崎結斗)「そうだけど君に関係ないでしょ」

(坂元美里)「地味だなぁーって、釣り合ってないですよ?」

(供咲美紗)「…そんなに見た目は大事?」

(影崎結斗)「供咲さん?」

(供咲美紗)「やっぱり今日は一人で帰る。バイバイ」

(坂元美里)「あれー?図星つかれて逃げ出しちゃいました?」

(影崎結斗)「うるさいよ、供咲さんはそんな子じゃないよ」

俺の中にもやがかかったみたいにすっきりしなかった。


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翌日登校

舜からメールが来た“供咲さんが変わった”変わった?急いで教室に向かった

(影崎結斗)「供咲さん!」

(供咲美紗)「結斗」

(影崎結斗)「髪…」

茶髪に巻き髪パーマ。

(管枝龍牙)「お、結斗、美紗ちゃん可愛くなったよな!」

龍牙の声が遠退く。気がつけば俺は彼女の手を引いていた。

(供咲美紗)「結斗?」

学校を出てタクシーに乗り込んだ。ある住所を伝える。彼女は黙ったまま。そして俺も何も言葉に出さなかった。

ついたさきは、

(供咲美紗)「美容院?」

そう俺の通ってる美容院。

(影崎結斗)「おいで」

手を引く。

(美容師)「いらっしゃいませー、お、結斗じゃん学校どうした?さぼりか?」

(影崎結斗)「たまにはいいじゃないですか、突然ですが、この子カラーとストレートパーマお願いしたいんですけど出来ますか?」

(美容師)「今日は客少ないし出来るよ、カラー何色?」

(影崎結斗)「黒で、真っ黒で」

(美容師)「じゃぁ傷まないようにトリートメントもするか」

(供咲美紗)「え、結斗?」

(影崎結斗)「俺ここで待ってるから行ってきて」

(供咲美紗)「でも…」

(影崎結斗)「今の供咲さん好きじゃない」

(供咲美紗)「…え」

(影崎結斗)「供咲さんは周りに合わせなくていいんだよ、あのままの供咲さんが俺は好きなんだから。無理に外見を変える必要なんてないよ、だから行っておいで」

嘘をついた。本当は可愛くて抱きしめたくて、でも男子の視線が、供咲さんをみる目が許せなかった。たえられなかった。

数時間後

(美容師)「お疲れ様でしたー」

(供咲美紗)「結斗」

戻ってきた供咲さんは艶のあるさらさらの黒髪のロングヘアーに戻っていた。

(影崎結斗)「うん、やっぱりこっちのほうが好き、支払いすんでるからこのままデートしようか」

(供咲美紗)「え、お金払うよ!」

(影崎結斗)「気にしなくていいよ、そんなことよりどこか行こう」

(美容師)「結斗またな」

(影崎結斗)「ありがとうございました、また来ます。」

供咲さんと自然に手を繋ぐ。

(影崎結斗)「供咲さん甘いの好き?」

(供咲美紗)「うん」

(影崎結斗)「じゃぁクレープ食べに行こうか美味しいとこ知ってるから」


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クレープ屋

(影崎結斗)「何食べる?」

(供咲美紗)「バナナクリームクレープ」

(影崎結斗)「了解、すいません、バナナクリームクレープ一つと苺チョコクレープ一つください」

(店員)「ありがとうございます」

数分後

(影崎結斗)「はい、バナナ」

(供咲美紗)「ありがとう」

ベンチに座って食べる。

(供咲美紗)「…美味しい」

(影崎結斗)「良かった」

目を細めて美味しそうに食べる彼女。

(影崎結斗)「飾らない供咲さんが好きだよ」

目を見開いたあと小さく口を開いた。

(供咲美紗)「美紗」

(影崎結斗)「え?」

(供咲美紗)「美紗って呼んで、私ばかり結斗って呼んでる。不安なの特別がほしいの」

知らない間に不安にさせていたんだ。

(影崎結斗)「ごめん、美紗」

横に首をふって微笑んだ。そのあと美紗を家まで送って家に帰ったあともメールのやりとりをして、少し距離がまた縮んだ気がした。

翌日学校。休憩教室

(坂元美里)「せんぱーい!また来ちゃいました!」

首をかしげて廊下からドアの側で立っている坂元さん。おいかえそうと席から立ち上がった時。

(供咲美紗)「私が行く、はっきり言ってくる」

こういうところ格好いいなぁと思う。

でも、心配だから

(影崎結斗)「口出さないから側にいさせて」

(供咲美紗)「わかった」

(坂元美里)「なに?あんたには用はないんですどー」

(供咲美紗)「結斗はあなたみたいな人選ばないよ。諦めて。それにそれに、私には結斗が必要なの」

(坂元美里)「!生意気!」

美紗の髪を乱暴に引っ張った。でも美紗は動じなかった。

(影崎結斗)「美紗!」

(管枝龍牙)「いけないなぁ、こんなことして。美紗ちゃん大丈夫?君、一番見苦しいよ、そういう子、俺嫌い」

いつの間にか廊下に表れた龍牙。女子に冷たく接するの始めてみた。

(坂元美里)「…もういい!」

そう言いって走り去って行った。

(影崎結斗)「美紗大丈夫?」

(供咲美紗)「うん、ありがとう。管枝くんもありがとう」

(管枝龍牙)「どういたしまして」

(影崎結斗)「美紗のこと大切にする」

(供咲美紗)「うん、私も」

俺、幸せだ。もっともっと大切にしたい。

ずっと一緒にいよう。

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