美容・健康

モテル髪型・ベストな髪型は自分に似合う髪型


モテるために何をすべきか、それは、モテない今の自分を変える事だ。

では、自分の何を変えるべきか、それは、変えられるところを変える事だ。
身体的な部分で最も変えやすいのは?、そう、髪型だ。

というわけで、僕はモテる男になるために髪型を変えようと決意した。

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どんな髪型が良いか色々と研究してみた。インターネットで「モテる髪型」や「モテモテヘア」などで調べてみたり、最近流行っている俳優やモデルの髪型を参考にしてみたり、雑誌の特集ページを食い入るように読み込んだり、熱心に研究した。

「女性が好きなメンズ髪型」や「女性ウケする髪型」など、女性を意識して調べる事を中心にしたので、僕が収集したデータは、よりモテる事に特化した髪型のデータとなった。

日常生活のほとんどの時間をさいて研究、調査をおこなった結果、世の中のモテる男性たちの髪型の傾向を掴む事に成功した。

ほどよく流行を取り入れて、人気のヘアスタイリストにスタイリングしてもらい、ワックスなどで形を整える手間を惜しまずに絶妙なエアリー感を出して、自然に見せる、それこそが最高のモテモテヘアスタイルだという事が分かったのである。

ここまで辿り着いた自分を褒めてあげたかった。
あとはこの注文を美容師に伝えて、理想通りの髪型にしてもらうだけだ。

美容室選びも真剣だった。インターネットでクチコミ評価の高い、人気の美容室を予約した。

2週間先まで予約で埋まっていたが、どうせ依頼するならば、確かな腕の美容師にお願いしたい。
モテるかモテないか、僕の一生がかかった大勝負なのだ。

待ちに待った予約当日、僕はいそいそと美容室を訪れた。
さすが人気店だけあり、店内は忙しそうにくるくると働くスタッフたちと、自分の順番を待つ客でいっぱいになっていた。

受付を済ませて待合の椅子に腰掛ける。
マガジンラックには最先端のファッションが紹介されているファッション雑誌や、いかにも高級そうな外車や時計の雑誌が置いてあった。

僕はそこでハッと自分はこんなところにいて場違いなんじゃないか、と気付いてしまった。

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周りを見わたすと、スタッフはもちろん、客も皆とてもお洒落でイケメンだった。もともと髪型もバッチリ決まっているような客が順番を待っていたりして、その姿が眩しく、自分がこの空間にきちんと馴染めていないような気がして突然不安になった。

しかしここでオドオドして挙動不審な素振りを見せるのは、僕のプライドが許さなかった。

僕はあえて落ち着いた雰囲気を醸し出すよう演技して、軽く雑誌に目を通しながら呼ばれるのを待った。

名前を呼ばれて立ち上がり、案内された椅子に腰掛けて、僕は美容師に自分の理想のヘアスタイルを伝えた。

「かしこまりました」
かなり細かい要望だったにも関らず、美容師はひと言そう返して、テキパキと僕の髪に手を入れ始めた。

あまり時間はかからなかったように思う。

「お待たせいたしました」
そう言われて鏡を見ると、確かにそこにはイメージチェンジした自分の姿が映っていた。

髪型は間違いなく要望通りの仕上がりになっており、僕は感激した。

「すごい!さすがですね!」
驚嘆して賞賛すると「恐れ入ります」と丁寧に頭を下げられてしまった。

こんな僕にも敬意を持って接してくれて、本当に良い店だな、と思いながら、僕は浮かれた気分で家に帰った。

帰宅してからもついつい鏡を見てしまう。鏡に映る自分の髪を見てはニヤニヤ笑いがこみ上げて止まらなくなる。
そんな自分の姿に少し笑ってしまいながら、翌日出社したら皆どんな反応を見せてくれるだろうとわくわくした。

しかし、そんな僕を待っていたのは残酷な現実だった。

翌朝起きて、髪をセットするにあたり、なかなか上手くいかずに手こずってしまった。

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どうにか昨日の記憶を呼び覚まして、それなりに見栄えのする状態まで復元してほっとしたのも束の間、いざ出社すると、皆が僕をなんとも言えないような目で見てくるのが分かった。

なんというか、腫れ物に触れるような、突っ込みたいけれど突っ込めないというか、そのような空気を感じたのだ。

そんなにおかしいかな・・・
僕は不安になった。

理想通りの髪型にしてもらい、自分でも気に入ったつもりだったが、自信が無くなってきた。

と、その時、割と思った事をずけずけ言うタイプの同僚が「おい、その髪型、どうしたんだよ」と声をかけてきた。

「いや、イメチェンしてみたんだけど、ヘンかな」
小さな声でそう聞くと、「ヘンっていうか、似合ってない」と言われてしまった。

その言葉は僕の心臓を射抜いた。グサッと刺さってしまい、僕はよろめきかけた。

周りでは女性社員たちが「・・・ねぇ」などとヒソヒソ声で囁きながらこちらをちらちら見ている。

たいそうショックを受けた僕だが、一縷の望みを託して、仲良くしていた同僚の女性社員にも意見を求めてみた。

「いや~、ダメよ。なんか気色悪いもん。流行ってんの?その髪型。髪型そのものは悪くないんだけどね、全然似合ってないよ」

意見を求めた相手が悪かったのか、ここで僕の自信は粉々に打ち砕かれた。

理想通りの素晴らしい髪形になれたと浮かれていた自分がバカバカしく思えてならなかった。

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そんなにおかしいかなぁ。

そう思って、再びトイレの鏡に映った自分を見た。

そう、髪型ではなく、自分を。

そこで気付いた。

確かに、似合っていない。

そうだ、僕は髪型しか見ていなかったのだ。

自分に似合っているかどうか、顔とのバランスは取れているのかどうか、というところではなく、ただ単純に理想通りの髪型にしてくれたかどうかだけ確認したのだ。

それで、全体像まで見られていなかった。

これは、確かに、おかしいかもしれない。
そう思った僕は、しかし似合わないという事は、僕は永遠にあの俳優やモデルたちのようにはなれないんだな、と虚しさに襲われた。

「すぐ元に戻した方が良いと思うよ」
女性の同僚が親切心で忠告してくれた。

確かに、その方が良さそうだ。

僕はしかしあの美容室に戻る気にはなれなかった。

別に美容師さんのせいではない。

腕は確かなものだった。僕の伝えた通りの髪型にしてくれたのだ。それはもう完璧だった。文句のつけようがない。

もしかしたら「こいつ、似合わないくせにこんな髪型にしたいなんて、よく言うよ」とせせら笑われていたのかもしれないが。そう思うと僕は顔から火が出るほど恥ずかしかった。

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美容師さんは責められないし、あの美容室も悪徳ではない。

それは間違いない。

しかしもう二度と足を踏み入れる事はないだろう。
一時の夢を見させてくれてありがとう、と僕は心の中で切ない別れを告げて、近場の美容室に足を踏み入れた。

この美容室も、以前から話題になっていて、人気の美容室という事だったので、もしかしたら門前払いを受けるかな、と思ったが、すぐに受け付けてくれた。

相当落ち込んでいた上に恥ずかしい思いを抱えたまま入店したので、僕のただならぬ様子を美容師さんが察してくれた。

どうやら失恋かなにかしたかもしれないと思ったらしい。

僕は自嘲気味に笑いながらこれまでの経緯をかいつまんで話して、とどのつまり自分には一体どんな髪型が似合うんでしょうねぇと言ってみた。

美容師さんは同情してくれて、真剣に僕に似合う髪型を考えてくれた。

また、「今の段階で結構カットされてしまっているので、短めな仕上げに限定されてはしまうんですけどね・・・」と言いながら、例えばこんな風にするとこういう印象になる、高校球児のように刈り上げにするようなイメージで少し場所によりボリューム感を変える事で、男子生徒というよりも大人の男性のイメージにより近づいて爽やかな雰囲気になる、など、様々なパターンのイメージを教えてくれた。

割と長い時間美容師さんと相談させてもらい、僕のイメージをある程度吸い上げてもらった上で、あとはお任せする事にした。

とにかく今は一刻も早くこの髪型から脱却し、しっくりくる髪型にしてもらう事が最優先事項だった。

そして数十分後。

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「お待たせいたしました」
美容師さんの声でうつらうつらと閉じかけた目を開いた。

鏡を見せてもらうと、なんともいえない安堵感が押し寄せてきた。

見慣れた自分の顔と、見慣れない髪型が、自然に融合していた。

今までの通常時の僕の髪型は毛の量が多いのをそのまま放置していたので、重たい印象だったのだが、短くカットされて、急に軽くなった。
また、頭部がとても小さく見えるようになった。

顔が小さいタイプではなかったので、頭のあたりがスッキリしたことにより、全体的にしまった印象となり、また幾分かアクティブな印象を与えられるようになった気もした。

「モテる、とか女性ウケする、とか、結局そういうのって、別に女性に限らず『感じの良い』髪型なんだと思うんですよね」と美容師さんは言っていた。

彼が仕上げてくれた髪型は、まさにその言葉通り、とても感じの良い、爽やかなものだった。

鏡に映った自分自身を全体的に見ても、アンバランスなことはなく、よく馴染んでいた。

僕はようやく本当に納得できる髪型を手に入れたのだった。

翌日出社すると、早速昨日最初に僕に声をかけてきた同僚が駆けてきて「良い!それなら良い!よかった~。俺、お前どうにかなっちゃったのかと思ったよ」と言ってきた。

意見を求めた女性社員もほっとしたような顔で「うん、それ、いいね」と笑ってくれた。

周りの変な視線も感じず、僕は心底ほっとした。

「むしろ前よりも似合ってるんじゃない?」
女性社員からそう言われて、これが自信になった。

「うんうん、明るくなったっていうか、こざっぱりしたよな」
男性の同僚も同調してくれた。

そしてこの2人の感想は、会社全体で同じだったらしいという事が分かった。

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あれほど腫れ物を見るかのように誰も何も言わなかった前日とは打って変わって、僕のイメージチェンジについて言及してくる社員が沢山いたのだ。

「お、イメチェン?いいね」

「かっこよくなりましたね」

「なんか垢抜けたね」

など上司や後輩たちから嬉しいコメントをもらって、僕は調子にのった。

調子に乗ると自信も出て、堂々と人前でプレゼンしたり、気になる女性にアプローチしたりできるようになってきた。

そしてそこで成功をおさめると、更に自信が大きくなり、僕はどんどん仕事を勝ち取っていくようになった。

もともと営業部に所属していたため、クライアントに与える印象というのは大切なのだ。初めて会った時の第一印象がものを言う。

髪型を「爽やかさっぱり系」に変えてから、僕の第一印象はすこぶる良いものとなった。
しかも本人は自信を身につけている。よどみないトーク術などを炸裂させて、どんどん成績を伸ばしていった。

こうなってくると「今ノリに乗った営業の爽やか系」というイメージが社内で定着してくる。

当然女性にもモテるようになってきた。

この僕が、女性から声をかけられるようになったのだ。

にわかには信じられなかった。

多少自信をつけてから、ちょっと脈アリかな、と思った女性を食事に誘うくらいの事はしたし、それで気色悪がられて断られてしまうという事はなく、ほどよくデートを楽しんでいたのだが、それがいつの間にか女性の方からアプローチされるようになってしまったのだ。

髪型ひとつでこんなに人生が変わるなんて思いもしなかった。

しかも流行ばかり追って、自分には全く似合わない髪型にして、似合っていないことに気付かぬまま悲しい運命を辿るのではなく、ちゃんと「似合っていない」と指摘してくれた同僚がいて、しかも真剣に自分に似合う髪型を考えて、そして見事にそれを実現してくれた腕利きの美容師さんにお願いできたからこそ、今の自分があるのだ。

この数奇な運命のいたずらで、僕の人生は一気に華やかなものになった。
すべてが良い方に良い方に転じていた。

僕はその後出世して役職についた。

と同時に、控えめながらも僕に想いを告げてくれ、その後数回デートを重ね、何かある度に激励の言葉などを送ってくれた献身的で素敵な女性とお付き合いをはじめる事にした。

もっとも、その後も数多くの女性からのアプローチを受けて、断るのに苦労したのだが。。。

人生、順風満帆。

髪型を変えて、ルックスの大切さを思い知ったわけだが、自分に似合う髪型を見つける事ができて本当に良かったと思った。

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